きっと君には敵わない_1（健十） ページ26
じりじり、音が聞こえてきそうなくらいに肌を焼き付ける太陽はそんなに得意じゃないけど、今日ばかりは夏に感謝してもいいかなと思う。休日に予定を合わせることが難しい俺たちだけど、夏休みだけは特別だった。イベントもレッスンもないただの平日、だけど彼女にとっては長期休暇のうちの一日。だからこそ今日はこうしてデートに連れ出すことができているのだ。
景色のいい場所でも目指そうかと何となく思ってはいるものの、特にアテがあるわけでもなく、道が続くに任せて車を走らせる。流れる流行り音楽に時折一緒に口ずさむAは、助手席に大人しくおさまっていた。
「A、休憩が欲しかったら言ってね？」
「大丈夫です。健十さんこそ、運転疲れたらいつでも休んでくださいね」
「まだまだ余裕だよ」
そうですか、と落ち着いた声で答えて、Aはまた鼻歌に興じる。流れゆく車窓の景色が珍しいのか、じいっと向こうを向いていた。
整った身だしなみと化粧っ気の無い大人しめの容姿、それに卒のない丁寧な口調。育ちの良さを端々から感じるAはまだあどけなさの残る高校生。そんなAと三つも年が違う俺が付き合ってるなんて、冗談みたいだけど…本当の話。
ふん、ふん、と口ずさむ声音にも楽しさが滲み出ていて、たまらず俺の口元も緩んでしまう。そんな自分に気が付いて、ああ、ベタ惚れしてるな俺、なんて心の中で苦笑した。
「最近学校はどう？」
「学校ですか？うーん…相変わらず、クラスはなかなか賑やかです」
話を振ってみれば鼻歌は止み、律儀にこちらを向いて答えてくれる。
「そうだ、夏休みが明けたら文化祭があるんです」
「文化祭か…Aたちは何するの？」
「ワッフル屋さんです。実はわたし、副店長になってしまいました」
「それは大変」
丁度赤信号で止まったから、Aの店員姿を思い描いてみる。ああ、Aなら何でも似合いそうだな。流石に高校の文化祭には行けないだろうから、写真でも撮って送ってもらおうか。
「また頼まれたの？」
「ええと…まあ。店長の田島くん…あ、クラスの人なんですけど、店長から名指しをもらったので、引き受けちゃいました」
ふうん、と相槌を打って、信号が変わったところで発車させる。
きっと君には敵わない_2→←#Bプロプラス（和南、帝人、剛士×2、悠太×2）
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keizi-yuki(プロフ) - まほしさん» 面白いです！！まほしさんにお聞きしたいことがあるのですがお聞きしてもよろしいですか？僕も今Bプロの小説を書いているのですがお互いの呼び方がわからないので教えてもらうことってできますか？ (2018年6月2日 16時) (
レス) id: d1d4e10695 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - まほしさん» ご解答ありがとうございます〜。楽しみにしてます!! (2017年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» リクエストは特に募集はしていませんが、書けたら書くし思いつかなければ書けない…という感じです。言っていただいたのにすみません（汗）ただ、次は和南くん夢アップする予定なので、書きあがったら読んでいただけたら嬉しいです＾＾ (2017年8月4日 12時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» こんにちは。いつも読んでいただき、ありがとうございます！これからもマイペースに頑張りますので、また読んでやってくださいませ。 (2017年8月4日 12時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - 個人的なお願いですが、竜ちゃんと和南お願いしたいです。リク受付なさってなければごめんなさぃ(/_･､) (2017年8月3日 23時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほし | 作成日時：2017年6月9日 21時
