もういいかい？_1（剛士） ページ13
どうしよう。どうしよう。真っ白になった頭の中でそんな言葉がぐるぐるとひたすら渦を巻いていた。音をたてないようにゆっくり呼吸をしようとするけれど、ばくばくと激しく動く心臓は明かに酸素を求めていて、なんだか少し苦しい。自分のものではない体温が貼りついた背中がやけに熱くて、脳みそまでぐらぐら煮えたぎっているみたいだった。
「あれ、剛士くんいないね」
「こっちにいるって愛染さんが言ってたのにね」
遙日くんと唯月くんの会話がすぐ近くで聞こえた。どうかお願い、このまま立ち去ってくれますように。祈るような気持ちで心の中で呟いたけれど、彼らの足音は一向に去ってはくれない。
ぎゅ、と後ろから回された手が微かに身じろいだ。そんな一動作にも心臓が跳びあがるくらいどきどきが加速して、わたしはぎゅっと目を瞑る。双子に届かなくとも、後ろにぴたりと密着する剛士には、確実にこのばくばくうるさい鼓動が聞こえてしまっているだろう。
いつの世もアイドルには恋愛禁止がつきもの――そうと知っていても、でも成り行きから発展したこの気持ちはお互いに止められなくて、わたしたちは誰にも知られず密かに恋をしていた。普段は誰かの目があって、怪しまれないためにはあいさつ程度の会話しか交わせない。だけどこうして、休憩中に小部屋にたまたま二人きりになれたときは、ちょっと別で。お互い言葉に出したわけではないけれど、いわゆるいい雰囲気ってやつになりかけたちょうどその時、
『剛士くーん！』
遙日くんのにぎやかな声が聞こえて、大きな足音がこっちに向かっているのが聞こえたのだ。触れかけていた手を掴み、剛士に引っ張られたわたしは転がり込むようにして近くの机の下へと隠れ――
後ろから体を閉じ込められるようにして、わたしたちは狭い空間で密着し、彼らの目から逃れたのだった。
「うーん、どこ行ったのかな」
遙日くんたちはまだこの机のすぐ近くにいるみたいだ。お洒落な靴のかかと部分が見える。
お願い、と心の中で繰り返した。早く出ていって、そうじゃなくちゃ、わたしの心臓がとても保ちそうにないよ。
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keizi-yuki(プロフ) - まほしさん» 面白いです！！まほしさんにお聞きしたいことがあるのですがお聞きしてもよろしいですか？僕も今Bプロの小説を書いているのですがお互いの呼び方がわからないので教えてもらうことってできますか？ (2018年6月2日 16時) (
レス) id: d1d4e10695 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - まほしさん» ご解答ありがとうございます〜。楽しみにしてます!! (2017年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» リクエストは特に募集はしていませんが、書けたら書くし思いつかなければ書けない…という感じです。言っていただいたのにすみません（汗）ただ、次は和南くん夢アップする予定なので、書きあがったら読んでいただけたら嬉しいです＾＾ (2017年8月4日 12時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» こんにちは。いつも読んでいただき、ありがとうございます！これからもマイペースに頑張りますので、また読んでやってくださいませ。 (2017年8月4日 12時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - 個人的なお願いですが、竜ちゃんと和南お願いしたいです。リク受付なさってなければごめんなさぃ(/_･､) (2017年8月3日 23時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほし | 作成日時：2017年6月9日 21時
