《B-PROJECT》みじかいゆめ3

#Bプロプラス（和南×2、帝人、龍広、剛士、百太郎、竜持） ページ44

ぽかぽか陽気に包まれて、つぼみの膨らんだ桜並木を歩く。春だねと言えば和南くんも「春だねえ」と答えてくれた。自然と手と手が触れ、どちらともなく繋ぎ合う。そんなぬくもりを感じ、春だねえと繰り返せば「幸せだね」和南くんは柔らかく笑った。わたしたちはまた、季節を巡りゆく。 #Bプロプラス




「春は変質者が多くなるそうですよ」「確かに目の前にも一人いる」事務所の入り口でわたしの道を塞ぐのは釈村だ「夜道は危険です送って行きましょう」変質者を連れ歩く趣味は無い。押し退け外に出ようとすれば腕を掴まれ「何もしませんから」珍しく真剣な瞳はわたしを心配してるようで #Bプロプラス



「何してんだ」桜の木の下でぴょこぴょこ飛び跳ね花びらを掴もうとしていれば野目くんが聞いてくる。地面に落ちる前にゲットできたらしあわせになれるの！「へえ」後日事務所で野目くんから一枚の栞を差し出された。「やる」汚れの無い二枚の薄紅色はきっと二人分のしあわせを願うため #Bプロプラス



春の歌がいいな。太陽光が差す窓際、隣でギターを構える剛士にリクエスト。ぴかぴかの一年生でもいいよ「ムードなさすぎだろ」鼻で笑ってじゃらんと音をかき鳴らす。やがて剛士のまっすぐな歌声が陽気と共にわたしを満たし、とくんとひとつ鼓動が鳴った。春のように優しい、ラブソング #Bプロプラス


菜の花を茹でて、水気を切ったら醤油と鰹節で和えるだけ。こんなに簡単なのに、思わず顔がにやけてしまうのはひとえに春が巡ってきたからだろう「美味しそうだね」盛り付けるのは和南の役目。見栄え良く置かれた和え物にも「これでよし」君と一緒に食べられることにも幸せを感じるの。 #Bプロプラス


実家からやってきた筍。灰汁抜きは今年も君と一緒に「これで一時間」沸いたお湯を弱火にして百は微かに笑みを浮かべた。今年は何作ろう？「煮物は外せない」去年は土佐煮したね、あと筍ご飯とか。「いいな、薄揚げも入れよう」手間のかかる下処理も、百と一緒ならいくらでも待てるんだ #Bプロプラス



「生はあんまり好きじゃないんだけど」サラダ用に玉ねぎを薄切りにしていれば、ひょこりと竜くんが覗いてしかめ面する。新たまだから甘いよ？「らしいね」はい、あーん。切りたてのそれを小さな口へ放り込めば「な、何するの」戸惑う声と共にしゃくっと気持ちのいい音が響く「…甘い」 #Bプロプラス

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