《B-PROJECT》みじかいゆめ3

スタートライン_3 ページ22

「でもね、いろいろ悩んじゃったんだよね」
「マジ？」

緩んだ心は、言うつもりのない言葉まで滑らせてしまったみたい。

「わたし寺光くんのこと何にも知らないなあって思ったよ。何が好きなのかとか、そういえば全然知らないなって」

まあ、知り合ってまだ日が浅いんだから当たり前なんだけどね。言い添えて元の椅子に腰を下ろす。

「だから、寺光くんのこと、もっともっと知りたいな」
「……うわ」

声を漏らした彼の顔を見て、あ、変なこと言っちゃったと後悔が押し寄せてきた。寺光くんは目をまん丸く開いて、驚いたようにこちらを見つめている。あ、いやその、変な意味じゃないんだよ、なんて慌てて訂正しようとしたけど、

「今の言葉が、今日一番のプレゼントかも……」
「……え？」

寺光くんは右手を握り、口元に添えて視線をずらした。ちょっぴり頬が紅くなってるように見えるのは…気のせい？

「いや、うん。そっか」
「て、寺光くん？」

そんな顔されたら、なんだかどきどきしてきてしまう。緊張とはちょっと違う類の鼓動の響きのように、感じられて。あ、あれ。おかしいな。

寺光くんはちらりとわたしを見て、へへと笑顔を見せた。今日一番のプレゼント、という言葉が何を指すのか、いまいち理解しきれてはいない。やっぱり寺光くんのことはよくわからないけど、

「俺ももっと、葛城さんと仲良くなりたいって思う！」

そう言ってくれた言葉に偽りはないって、輝く笑顔でわかるから。


スタートライン
来年はもっと距離が縮まってたらいいな、呟く彼の言葉に、いっそう胸が高鳴ってしまったのは、なんでだろう。


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はーーーーるぴょーーーーん！！！
ハッピーバースデー！！！
君らしさをもっと知っていきたいです。そんな一年になりますようにと願いを込めて、ゆるっとほのぼのっとした一本でした。

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