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眼差しのスポットライト_2 ページ3

チャイムを鳴らせば、すぐにがちゃりと鍵を開ける音がした。

「はーい」
「悪いな、遅くに」

ドア越しに声をかけると、「いえいえ」と言いながら扉を開けてくれる。

「……っ!」

その姿を見て、俺は思わず固まってしまった。

「まだトレーニング中だったしね、全然寝てないよ」

若干頬に汗を浮かべてそう話すAは、筋トレ用なのか、…さっきまで思い浮かべていた水着と同じように、腹部分を曝け出していた。
綺麗にくびれた腰が嫌でも目に入る。お、お前なあ…っ!!

「どうしたの?」

不思議そうに首を傾げるAを見て我に返り、「と、とりあえず邪魔すんぞっ」と慌てて玄関に入り、扉を閉めた。

「お前、なんつー格好して出てくんだよ!」
「え?だってトレーニング中だし」

きょとんとした目で見てくるこいつには自分が今いかに男を誘う格好をしているのか自覚が足りねえ。新曲の歌詞を見て思い浮かべたあの水着姿と重ねてしまって、…ああくそ、やっぱり視線は腰に向かってしまう。

「別にそんな珍しいモンでもないでしょ、こないだ海も行ったじゃない」
「いや、そうだけどよ…」
「ん?変なタツ」

歯切れの悪い俺にもう一度首を傾げてから、「待ってて、手帳取って来るね」と部屋の中へ戻っていった。

ああ、ばくばくと心臓がうるせえ。冷や汗すらかいてきたみてえだ。海とは違い、他に誰もいねえこの空間。さらけ出された白い肌。
俺の気も知らねえで、あいつ。
触れたい、と頭のどこかでそんな考えが浮かんだ。するりと撫でてやればどんな声を漏らすだろう。ああくそ、変態か俺は。激しく頭を振って不純な考えを追い出そうとする。くそ、くそっ。手帳だけ受け取って早く帰らねえと。

「お待たせ」

戻ってきたあいつから、手帳を受け取る。
「ああ」乾いた声で返事して、じゃあ、とそのまま玄関を出ようとすれば、

「やっぱりタツ、今日ちょっとおかしくない?体調悪い?」

目の前に立つAはさらに一歩距離を詰めてきて、

「ちょっとおでこ貸して」

俺の顔をまっすぐ覗きこんで、手を伸ばしてきた。

その手が俺の額に触れるか触れないか、

「お前、なあっ」

声を荒げた俺の両腕があいつの腰をかき抱く。「ええっ」驚いたような声を出し、Aは抵抗もなく俺の体へと密着した。

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設定タグ:B-project , 夢小説 , 短編集   
作品ジャンル:アニメ
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まほし(プロフ) - 彩乃さん» お返事おそくなりました(汗 イラストいただき、ありがとうございました!!おはなしも気に入っていただけてよかったです〜。良ければこちらこそ、またお願いします^^楽しみにしています! (2017年4月2日 17時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃 - ふぁぁぁぁイラスト使ってくれてありがとうございます!!ヤバいです素敵です全然大丈夫です!!!!!!!!普通に嬉しいです。ありがとうございます〜!!私が想像してた通りというか、想像以上だったので嬉しいです…!!ありがとうございました…!!良ければまた描きたいです!! (2017年3月31日 17時) (レス) id: 6d74871b62 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - B−PRO大好きおじさん(笑)さん» 最初からずっと…!ありがとうございます!!これからもよろしくお願いいたします。そして北門さんお誕生日おめでとうございますっ!! (2017年3月29日 22時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
B−PRO大好きおじさん(笑) - みじかいゆめを最初からずっと見てます!!!倫くん誕生日おめでとう!! (2017年3月29日 15時) (レス) id: 69007943fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほし | 作成日時:2017年3月26日 10時

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