検索窓
今日:11 hit、昨日:11 hit、合計:184,693 hit

愛しマイバニー_2 ページ9

「おい、押すなよ輝」
「だってー、気になるじゃん?」
「なんてったってリーダーの恋路ですからね!」
「…かずにゃん」

気を使って二人きりにしてくれたと思っていたのに、控室の外からそんなひそひそ声が聞こえてくる。机を挟んで向かいに座ってるAまでは届いてないみたいだけど…。
はあ、とひとつため息をついて、立ち上がる。Aがどうしたの?と聞いてきたので、なんでもないよと笑顔を見せて、俺は扉の方へ向かった。
細く開かれたドアを勢いよく開けると、龍広、輝、帝人、モモの順に壁に張りついていた。

「ひいっ」

輝が顔を青ざめた。俺は努めて笑顔を保つ。

「みんな、ごめんね。Aと二人で話したいんだけど、席を外してくれないかな?」
「リーダー、顔が怖いです」
「そんなことないよ」
「いや、オーラが…」
「…かずにゃん」
「モモ、やめて」

説得の甲斐あって、みんなそのまま廊下の向こうへ歩いていった。俺たちみんなの控室なのに追い出す形になってちょっと申し訳ないけど、まあ覗かれるよりは、ね。
きっちりドアを閉め、Aの元に戻る。と、頬杖してじいっと視線を向けられていた。「なんでもないよ」と告げると、そんな言葉お構い無くAは口を開いた。

「かずにゃんはさぁ」
「…その、かずにゃんての、そろそろやめない?もう子どもじゃないんだから」
「じゃあなんて呼べばいいの?」
「それは…」

Aの言葉に言い澱みながらも、ちょっとだけ視線をそらして、「か、和南、って」と伝えることができた。
にひ、と目を笑わせて、Aは言い直す。

「じゃあ、和南」
「……っ」

改めて名前で呼ばれるのって、なんだか恥ずかしい。鼓動がとくんと音をたてた。

「和南、かっこよくなったなあ、と思ってね」

そんなことも知らず、Aは言葉を続ける。嬉しそうに、幸せそうに。

「そ、うかな」
「うん、すごく。元からイケメンだったけど、最近テレビで見てて特にかっこよくなったなあって思うよ。――アイドルに、なったから、かな」

そう言いながら、一瞬だけ目を伏せたのを、俺は見逃さなかった。

「チケットもらって。ちょっと頑張ってここまできて、うん、直接会えてもっと思ったよ。すっごいきらきらしてるって。ああ、かっこいいなあ、って」

ありがとう、とAは目を細めた。そして、おどけたように敬礼のポーズをとる。

「これからも、一うさぎちゃんとして応援するからね!」

愛しマイバニー_3→←愛しマイバニー_1(和南)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
187人がお気に入り
設定タグ:B-project , 夢小説 , 金城剛士   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

速水ヒロcv前野智昭love♪(プロフ) - 面白かったです!!ごうちん格好いい(*´∀`) (2018年7月10日 21時) (レス) id: 5e287a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
織目亜華璃 - 帝人が!帝人が〜〜〜!ヤバイデス!!トゥンク!! (2017年4月29日 14時) (レス) id: cd6be38c23 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃 - まほしさん» ですよね…!!はい、また携帯買ったらお知らせ致します(笑) (2017年2月27日 18時) (レス) id: 39f7ff3018 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - 彩乃さん» Twitterって公式非公式いろいろ情報入ってきて楽しいですね。機会がありましたらぜひ〜^^ (2017年2月21日 23時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃 - んんBプロプラス素敵ですね…!!!Twitterはまだ携帯持っていないので見るしかやってませんが、その内お話したいなぁ、とか…() (2017年2月20日 12時) (レス) id: 39f7ff3018 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まほし | 作成日時:2017年1月16日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。