アイ・ノウ_2 ページ46
「違うんです。聞いてください、Aさん」
「なに」
「貴女が頑張っていたことなんて、離れていたって知っていますから。だから…報われるのなんて、当然でしょう?」
……。みかの言葉に、思わず黙ってしまう。
それって、どういうこと?
「ずっとずっと、やりたいことの話も、どれだけ勉強しているのかも、夢も愚痴も、全部聞いてきた僕ですよ?」
「…みか」
ふ、とみかが小さく笑ったような気がした。
それから、いつもみたいに、まるで包みこんでくれるかのような優しい声が、続ける。
「貴女が夢に向かって頑張っていると思うだけで、僕も力が湧いてくるんです」
その言葉に、嘘はないと思った。
胸に広がっていた苦い気持ちは、少しずつ溶けていくみたいに、無くなっていくのを感じながら、わたしは何度も彼の名前を呼んだ。
「みか」
「はい」
「…みか」
みかは、わたしをずっと信じてくれていた。わたしのこと、考えてくれていた。
嬉しい、と思った。それからたまらなく、みかに会いたくなった。
繰り返しそう呼ぶことしかできないわたしに、くすりと笑みを漏らす音が聞こえる。
「学生の夏休みって、長いんですよね。僕に会いに来てくれるの、待ってますから」
みかの声は、限りなく、優しかった。「そしたら――」みかの言葉は続く。
「嬉しくて、貴女を抱きしめたまま離せないかもしれないですけど」
「…いく。絶対」
「はい。それまで、僕もお仕事、頑張りますから」
そんな言葉で、ふと気が付いた。みか、お仕事中だった?と聞けば、今は待機中だと。だけどもう少しで撮影が始まる、と。
「ごめんね」と謝ると、「どうしてそんなこと言うんですか」と返って来た。
「Aさんからの電話なら、何だって嬉しいんです。特に、今回みたいな用件なら、もっと」
電話越しに伝わる甘い響きに、鼓動が鳴りやまない。
「最後に、言ってなかったこと、」
そっと息を吸う音が聞こえた。
「おめでとうございます、Aさん」
アイ・ノウ
早く、みかに、会いたいよ。
++++++++
えろちくも怪しくもヲタヲタしくもない、さわやかみかち。
「帝人に褒められる」テーマだったのですがあんまり褒められてねえのでもう一個よっしゃよっしゃされるのも書きます。
おにあんさんおめでとうございますーーー!!!!
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速水ヒロcv前野智昭love♪(プロフ) - 面白かったです!!ごうちん格好いい(*´∀`) (2018年7月10日 21時) (レス) id: 5e287a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
織目亜華璃 - 帝人が!帝人が〜〜〜!ヤバイデス!!トゥンク!! (2017年4月29日 14時) (レス) id: cd6be38c23 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃 - まほしさん» ですよね…!!はい、また携帯買ったらお知らせ致します(笑) (2017年2月27日 18時) (レス) id: 39f7ff3018 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - 彩乃さん» Twitterって公式非公式いろいろ情報入ってきて楽しいですね。機会がありましたらぜひ〜^^ (2017年2月21日 23時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃 - んんBプロプラス素敵ですね…!!!Twitterはまだ携帯持っていないので見るしかやってませんが、その内お話したいなぁ、とか…() (2017年2月20日 12時) (レス) id: 39f7ff3018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まほし | 作成日時:2017年1月16日 13時