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「Aさん!こっち手伝って!!!」
「っ!はいただいま!!」
「Aさん、もうこれ覚えた?」
「はい、出来ます!」
私はどこまでついているのだろう。
これはまさに不幸中の幸いというやつだろうか。
最近、新しい侍女が数十名ほど見習として入ったらしい。
つまりは、多少ミスをしても目立つことは無い。ついでにここでの仕事を1から教えてもらえる。
でもせめて、酒屋で培った料理の腕前を生かそうとして迷いながらも辿り着いた厨房のまわりをウロウロしていたら厨房の中から
「なにやってんだい。早く下ごしらえ手伝っておくれ!」
という声が聞こえて、心の中で舞い上がった。
野菜を切って下ごしらえしてまとめて置いておくだけの簡単な作業だった。
そうこうして料理も完成に近づくと厨房の入口から侍女さんが入ってきてこう言った。
「料理長さん!侍女の誰か1人配膳に回してくれない?今日新しく5人も花嫁候補様が増えたから手が回らなくて!」
今日私の他に4人も候補が集まったのか。
これは無給労働よりも大人しく花嫁候補やっていた方がマシだったかなと一瞬思ったが、起こることのないであろう"もしも"が頭をよぎってすぐに考えるのをやめた。
「こっちも人手が足りなくて手一杯なんだ!あーもうしょうがない。そこの新人!」
「っえ、私ですか。」
料理長さんは私を指名した。
ーー
「新人?名前なんて言うの?」
「あ、はい。チョンAです。」
あっさり派遣された私は今このお姉さんと急ぎ足で歩いている。なんでも、配膳のために一度着替えるらしい。衛生面をしっかり守ったいい配慮だと思った。
「そうなの、王宮での生活は大変だろうけど、お互い頑張ろうね。
私、王様と花嫁候補の方々に配膳するあの空間がすごく苦手なのよ〜」
そうなんですか。
「って、え?」
思わず、足が止まる。
「?何どうしたの急に、」
「あの、すみません、王様と花嫁候補の方々はご一緒にお食事なさるんですか?」
「何言ってるのよ、花嫁選びのために王宮に集めているのだから当然よ。大広間に集まって皆様で召し上がられて、そうやって過ごす中で王様は花嫁を選ぶのよ。」
誤算だった。てっきり王と花嫁候補は別室で食べるのかと思っていた。これは不味くないか…?
絶対に王と接点を持ちたくないのに、王の顔を拝見することになるのだから。
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ジミンさん - 私は、2年後…中3?で受験生です…←多分 イヤだけど頑張ります! なので2年後に、絶対戻ってきてくださいね! 受験ファイティンです( ôuô)ó (2020年7月25日 1時) (レス) id: 696ac734bc (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - 返信遅れてしまって申し訳ないです!王宮を友達も見てるみたいで、気に入った!って言ってましたよ!本当に作者さん尊敬です!これからも応援してます!更新待ってます!ファイティン!(((o(*゚▽゚*)o))) (2020年5月6日 12時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - ありがとうございます!そうなんですよー、、、受験生で、大変笑。なんか名前ありさんとしか思い浮かばなかったんでありさんと呼ばせていただきます!コロナで大変ですが、体調には気をつけて勉強頑張ってください!((お前もな笑。更新楽しみにしてます! (2020年5月6日 12時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
しやょく - 2年後に必ず戻って来て下さい!楽しみにしています! (2020年5月6日 0時) (レス) id: 4828d3fec9 (このIDを非表示/違反報告)
ありがとうございます - ぐぅにむさん» ありがとうございます。受験生でしたか!今コロナで受験生大変ですよね汗頑張ってください!ありさんいいですね笑そう呼んでくれたら嬉しいです! (2020年5月4日 22時) (レス) id: 1cba30bd53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:閲覧ありがとうございます | 作成日時:2020年4月27日 23時