王宮-JN-

二十一 ページ21

「ハ？お前、王に食事持ってったの？」







「……まあ、はい。」









昨日から今までの経緯を洗いざらい聞かれた私はどうすることも出来ずに全てを話した。









もちろん、王に気に入られたことは言っていない。
なぜなら絶対に面倒くさくなるからだ。






「マジか、」









はあ、とため息をつくミンユンギ管理官。









「あの！今日からはもう花嫁候補に戻りますから。陛下にもバレてしまったので。」









そういうとミンユンギ管理官は"ああ、あの人のキモイくらい良い記憶力には勝てなかったんだな。"と笑った。






相当親しい間柄なのだろうか。
でもこんな気難しそうなミンユンギ管理官でさえも王様のあの性格なら簡単に打ち解けられそうな気がした。









「ま、戻るって言うなら俺はこれ以上文句言わねーわ。だって頑張ってくれるんだよな？今日から。"花嫁修業"」









ん？









「なんですかそれ、聞いてないんですけど。」









「王宮にいる間、花嫁候補は皆花嫁修業してんだよ。王妃になるんだったら当たり前だろ。今日は確か、舞の稽古だった気がする。
昨日まで都の娘だったお前がどんなの見せてくれんのか見物だな。早く準備してこい。」









舞など貴族の余興としか思ってなかった。
1度もやったことは無い。









「……本当に聞いてないんですけど。」

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