十八 ページ18
「……えっ、僕の花嫁候補?」
「はい、」
「……なんで、侍女なんてやってるか、聞いてもいい?」
「…私は都から来ました。ですから、お嬢様扱いされるの好きじゃなくて、つい侍女になりすましてしまいました。本当にごめんなさい。」
嘘は言っていない。お嬢様のような扱いをされるのは私自身、好きではなかったから。
だが、敢えてあなたと結婚したくなかったからなんて言わない。
「そうだったの。」
そう言うと王様は嬉しそうな顔をする。
「なんでそんなに嬉しそうなんですか、」
「僕、Aがすごく気に入ったから、お嫁さんに出来るかもしれないことが嬉しくて。」
爆弾発言。
そもそもこうなってしまったのも全て王様が王妃を迎えないのがいけない。
「……失礼であるとは承知ですが、陛下はなぜ王妃を選ばれないのですか?あの、花嫁候補達は皆容姿端麗で、お一人くらい心を寄せる方がいるでしょうに。」
「心を寄せる方?いるよ。」
「えっ」
普通に返されてしまって驚く。
彼に触れて彼の性格や容姿を知った今なぜかその言葉がチクッと刺さるように胸に来た。
なんだ。私が王様に思いを寄せてるみたいじゃあないか。決してそんなことはないはずなのに。
「想いを寄せる方がいらっしゃるのならばこういうことはよした方が良いのでは?今の私は侍女ですから陛下と侍女が二人で会っていたなんて言われてしまえば陛下の名誉が損なわれます。」
私は早く家に帰りたかった。
なのに王様に対してこんなにムキになったような言い方。
彼の人柄に少し触れただけで、こんな。
「何を言ってるの、Aの事だよ。Aだって花嫁候補なんだから。
正直安心した、君が花嫁候補でなく普通の侍女ならばきっと僕、裏で手を回して君を花嫁候補にしてたよ。」
"ねえそれより"
王は続けた。
「僕の名前呼んでくれないの……?」
頬を少し膨らませてプルプルの唇を尖らせて、不貞腐れたようにこちらを見る。
ああ、だめだ。私この人のこういう顔に弱いかもしれない。
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ジミンさん - 私は、2年後…中3?で受験生です…←多分 イヤだけど頑張ります! なので2年後に、絶対戻ってきてくださいね! 受験ファイティンです( ôuô)ó (2020年7月25日 1時) (レス) id: 696ac734bc (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - 返信遅れてしまって申し訳ないです!王宮を友達も見てるみたいで、気に入った!って言ってましたよ!本当に作者さん尊敬です!これからも応援してます!更新待ってます!ファイティン!(((o(*゚▽゚*)o))) (2020年5月6日 12時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - ありがとうございます!そうなんですよー、、、受験生で、大変笑。なんか名前ありさんとしか思い浮かばなかったんでありさんと呼ばせていただきます!コロナで大変ですが、体調には気をつけて勉強頑張ってください!((お前もな笑。更新楽しみにしてます! (2020年5月6日 12時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
しやょく - 2年後に必ず戻って来て下さい!楽しみにしています! (2020年5月6日 0時) (レス) id: 4828d3fec9 (このIDを非表示/違反報告)
ありがとうございます - ぐぅにむさん» ありがとうございます。受験生でしたか!今コロナで受験生大変ですよね汗頑張ってください!ありさんいいですね笑そう呼んでくれたら嬉しいです! (2020年5月4日 22時) (レス) id: 1cba30bd53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:閲覧ありがとうございます | 作成日時:2020年4月27日 23時