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海「立てない？」
あ「...脚が思うように動かなくて。」
海「分かった、じゃあ...」
そのまま私の手を�盒兇�んの首に回される。
海「いち、に、さんで持ち上げます。いち、に、さんッ！」
持ち上げてくれたことでやっと立つことが出来た。
海「あとちょっとだけだから、引き返すよりもこのまま突っ切ったほうが早いんでそのまま行きます。」
あ「でも...恐怖でまた(腰が引けちゃうかも)...」
すると、
今度は�盒兇�んの背後から抱きつく感じで、私の両腕を彼の腰元に持っていかれた。
海「これなら前見えないでしょ？どう、行けそう？」
冷静な状況だったらこんな体制、色々考えて躊躇するけど
今はこれが一番最善な気がして、私は”大丈夫”と首を縦に振った。
・
�盒兇�んのおかげで視界は見事に塞がれ、怖さは先ほどよりも半減した。
ただ大きな音とか、オバケが出て来たりする音がすると、
びっくりして腰に回している手にどうしても力が入ってしまう。
そんな私にも�盒兇�んは「大丈夫、あとちょっと」と何度も優しく声をかけてくれていた。
そして、ようやく出口まで辿り着くことができた。
・
(本当の�盒兇�んは...どういう人なんだろう。)
これまでどちらかというと、
人懐っこい可愛い後輩の部分を多く見てきた。
でも今みたいにたまにちらっと垣間見える男性的な部分もあって...
もっとそっちの男性的な�盒兇�んのことをより知りたくなっている自分がいることに気づく。
海「ふぅ、よかった〜！やっと出られましたね、A先輩！！」
また可愛い後輩くんに戻った、�盒兇�ん。
今までならそっちの可愛らしさがよかったけど..今は、違う。
あ「ちょっと...来て。」
今度は私が�盒兇�んの手を取り、
文化祭の賑やかさからかけ離れている
誰もいない空き教室を見つけ、そこに入る。
ようやく二人きりになれた。
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作者名：秋風 | 作成日時：2021年12月9日 5時
