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「絶対に後悔しないんで、楽しんでどうぞ〜」
そう言って笑顔でドアを閉められた。
視界は急に真っ暗になり、
エアコンもガンガンにつけられていて凍えるような寒さ。
BGMも怖い音楽が流れていて
それはもう本物のお化け屋敷に近い。
(�盒兇�んの嘘つき..全然クオリティー高いじゃん....。)
引き返したいけど
私の後ろにも人が並んでたし..年上なのにお化け屋敷が怖いなど恥ずかしい。
下見てればなんともなく出られるよね..
そのうち�盒兇�んに中で会うかもだしと、
気は全く進まないけど、何とか足を動かし恐る恐る前へと進む。
・
少し進むと目が暗闇に慣れてきた。
(ふぅ...)
今のとこ飾りつけのオバケばかりで何とか前に進めている。
(あとどれくらいあるんだろう..)
少し先に絶対に人が隠れていそうな不自然な箱が置いてあるのが見える。
そこの前まで行ったら走ればいいと決めて、
そこまでは今まで通り周りを見ないで
足元だけ見て進む。
とにかく出口のことしか頭になく、完全に今、私の頭の中からは�盒兇�んのことは忘れていた。
だんだん近づく箱に怯えながら一歩一歩前に進む。
しかし、次の瞬間！
予期していなかったタイミングと足元に数本の手が一気に隙間から出てきて
私はあまりの恐怖でその場で腰がひけて動けなくなってしまった。
声も出ないし、立とうと思っても脚が動かない...
昔、頑張って観たホラー映画では恐怖を感じたら走って逃げていたはずなのに..
(私は何で走れないの...)
脅かし役の子たちがうずくまった私に気づき、若干ザワザワし始めた。
(こんなとこまで来て...恐怖で腰を抜かして立てないなんて恥ずかしいにも程がある。)
私は周りが暗いことも忘れ、両手で顔を覆った。
でも次の瞬間、
その手に温かさを感じる。
そして、片手をやさしくギュッと握られた。
「大丈夫。落ち着いて。」
顔はよく見えないけど、声で相手が誰だかわかる。
＿＿＿�盒兇�ん...
やっと会いたかった人が..今目の前にいる。
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作者名：秋風 | 作成日時：2021年12月9日 5時
