Limonium.5 ページ17
強さとは
何の裏返しだろう
─────────
いつものように病室へと入ると、ベットの上に彼女の姿が無かった。
珍しい。トイレにでも言っているのだろうか。
事故の後遺症は記憶だけに留まらなかった。
彼女は足が不自由になり、支えがなければ一人では歩けなくなってしまったから、そこまで遠出はしていないはずだが。
｢………？｣
丸椅子が、いつもの場所に置いてある。
棚の脇からベットの脇へと移された丸椅子の上には、黄色い表紙の本。中学の頃見舞いに来た時に、あげたものだ。
なんとなく手に取り、パラパラとめくる。
それから、最後のページでカバーの隅が折れていることに気がついた。
｢なんだ、これ｣
カバーを外す。
と、自分の字で『好きだ。』と。
流石に恥ずかしくなる。昔のことだから字も汚い。
それでも──これは嘘じゃない。
書いたことだって覚えているし、アイツが本を読んでいるところを見る度にドキリとくる。
アイツはこれに気づいたのだろうか？
不思議に思いながら、ふと俺が字を書いた面の逆を見た。
｢…………｣
ただ、小綺麗な文字で──書いてあった。
『私も、好きです』
どれくらい経っただろうか。気づくと、車椅子に乗ったアイツが、病室へと入ってきていた。
それから、花が咲く様な笑顔でにっこりと笑って。
｢勝己くん、いつもお花ありがとう｣
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漱(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» リクエストありがとうございます！なるべく早く書きます！ (2018年8月19日 20時) (
レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - (っ･ω･)っ.｡.:*･ﾟていっさん» 暖かいお言葉ありがとうございます！もう少しだけ続けることにしましたのでよろしくお願いします…！ (2018年8月19日 20時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様に溺愛されたいです (2018年8月18日 21時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
(っ･ω･)っ.｡.:*･ﾟていっ(プロフ) - 引退しないでくださいぃ〜｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡あなた様の小説が大好きなんです！これからも書き続けてください！m(_ _)m (2018年8月6日 10時) (レス) id: bca02744cb (このIDを非表示/違反報告)
ミラ - お返事ありがとうございます*><*デク君のピュアさと勇気ある行動のギャップいいですよね (2017年8月18日 23時) (レス) id: 8d82904fc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2017年7月18日 19時
