Hate16 ページ17
｢………！｣
目が覚める。
動悸が激しい。瞬きをする度に、目から涙がこぼれ落ちていく。上手く息ができない。
服にじっとりと汗が滲んでいて、気持ち悪い。
嫌な汗が背中を伝う。
｢…っ………｣
また思い出したのだ。
思い出してしまったのだ。
──嫌いな理由を。
でも、でも。
｢忘れなきゃ……｣
多分きっと、今までの私も、思い出す度に忘れてきたのだ。
思い出しては、忘れる。
だから私は、忘れたことも忘れて、何を思い出したかも忘れて。
思い出したことを忘れたことも忘れて。
でも多分、思い出してしまうのは完全に忘れきれていないのだろう。
それでもただ嫌って生きていくのだ。
だから忘れなきゃ。
これは、憶えていなくてもいい事だから。
憶えてちゃいけないことだから。
忘れなきゃ。
私は、自分にかけられた毛布と、部屋の隅で本を開いたまま眠る焦凍を見た。
｢………馬鹿ね ｣
私は毛布を焦凍にかける。開いたままの本に栞を挟んで、横に置いた。
柔らかそうな2色の髪が、呼吸に合わせて揺れる。私は焦凍の髪を、手で梳く。柔らかい。
それから、机の上に散乱している書類を集めた。
ひとまとめにして、角を揃える。バラバラにならないようにクリップで留める。
それからお茶を入れて、静かに啜る。
｢─────｣
………みたらしが、膝の上に乗ってきた。
柔らかい毛並みを撫でると、ゴロゴロと鳴いた。
ゆったりとした時間が流れる。時計の秒針が立てる音が、いつもより遅く感じる。
ぼんやりとみたらしとじゃれつく。
それから、はたと気がついた。
｢───私、何をしていたのかしら｣
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漱(プロフ) - 海月さん» コメントありがとうございます！調べて見たら結構似てました笑びっくりです！ (2018年5月29日 21時) (
レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
海月 - なんか、夢主ちゃんの髪の色ッてナンバカのジューゴみたいですね (2018年5月29日 15時) (レス) id: 1e08dd69a5 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - ユキナさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉、大変恐縮です！ (2017年7月26日 22時) (レス) id: b552afe75e (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - 絵！神的に上手すぎです！応援してます(o^-')b (2017年7月17日 21時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - 七華さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけたのであれば何よりです…！イラストまで褒めていただいて…！番外編、頑張って書きますよ\('ω')/ (2017年7月17日 19時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2017年6月18日 9時
