Hate14 ページ15
｢………｣
俺はそれを拾い上げると、そっと机の上に置く。
置いた横に、見慣れた紙があるのに気がつく。
間違いなかった、それは俺が出した改造申請書だった。
その横には、大雑把に書かれた要請をどうやって実用化するかの案がびっしりと書き込まれた紙が何枚も並んでいる。
よく見てみれば、散乱している紙は、要請書か、Aが案を書き込んだ紙ばかりだった。
頼まれて、サポートアイテムを作っているのだろう。アイテムの作成や使用にも資格や許可がいるようだが、俺はよくわからない。
放課後残って色々作るのも、ちゃんと申請しているらしいが。
ただ、それでも信頼されて、頼まれているということは、Aがそこまでの実力を有しているという事だ。
ヒーロー科にいても、体育祭で目立っていた発目という少女の名と共に、よく耳にする。
工学系の記号や、よくわからない単語が羅列している。それは彼女の記憶と、経験則から生み出されるもの。
よく人は、彼女の個性を聞いて言う。
｢そんな個性だったら人生イージーモードだね｣と。
でも違う。俺は知ってる。
数学の公式だって、覚えてるだけじゃ駄目だと。
使い方を知らないと、知識はただの文字の羅列だ。
Aは、努力して、自分の知識をただの文字の羅列から変えられるようになったのだと。
何より、机の上にぶちまけられた書類が、それを物語っている。
発目という少女が天才なら、Aは秀才であると。
そんなAが好きだ。
好きなことに取り組む姿勢も。
好きなことに、愚直に進んでいく姿も。
好きなことに向かっていく、純粋無垢な瞳も。
好きなものだけを見つめて、一心不乱に走っている姿も。
Aが、眩しくて、憧れで。
いくら嫌われても、好きをやめられない。
嫌いになれない。
Aが好きな俺を、捨てられない。
｢………………｣
俺は毛布を取ってくると、起こさないようにかける。
まだ風呂にも入っていないだろうし、もう少ししたら起こそうと、俺はなるべくAから離れた場所で、読みかけの本を開いた。
｢……好きだ｣
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漱(プロフ) - 海月さん» コメントありがとうございます！調べて見たら結構似てました笑びっくりです！ (2018年5月29日 21時) (
レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
海月 - なんか、夢主ちゃんの髪の色ッてナンバカのジューゴみたいですね (2018年5月29日 15時) (レス) id: 1e08dd69a5 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - ユキナさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉、大変恐縮です！ (2017年7月26日 22時) (レス) id: b552afe75e (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - 絵！神的に上手すぎです！応援してます(o^-')b (2017年7月17日 21時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - 七華さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけたのであれば何よりです…！イラストまで褒めていただいて…！番外編、頑張って書きますよ\('ω')/ (2017年7月17日 19時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2017年6月18日 9時
