回復 ページ17
｢せっかく前の傷が癒えてきた所だったのにさ……こちとら回復キャラがいないんだよ……責任とってくれんのかぁ？｣
傷跡を見ながら、そういう死柄木に、ステインが静かに告げた。
｢……それがお前か｣
｢は？｣
｢おまえと俺の目的は対極にあるようだ……。だが『現在を壊す』この一点に於いて俺達は共通してる｣
｢ざけんな帰れ、死ね。最も嫌悪する人種なんだろ｣
｢真意を試した。死線を前にして人は本質を表す。異質だが……『想い』｣
一息。
｢歪な信念の芽がおまえには宿っている。おまえがどう芽吹いていくのか……始末するのはそれを見届けてからでも遅くはないかもな……｣
｢始末すんのかよ……こんなイカレた奴がパーティーメンバーなんて嫌だね俺。餓鬼も嫌いだ。｣
瞬間、死柄木の首元には刃先が突きつけられていた。犯人は言わずもがな傷在りだ。
｢愚弄しないで｣
｢うわ、おっかねぇ……｣
そんな死柄木に、耐えかねたように黒霧が
｢死柄木弔。彼等が加われば大きな戦力になる。
交渉は成立した！｣ と言う。
ステインは一息着くと、
｢用件は済んだ！さァ保須へ戻せ。あそこにはまだ成すべき事が残っている｣
｢いや、ちょっと待てよ｣
と死柄木。
何なんだ？と首を傾げるステインと傷在り。
｢俺のこの傷。あと黒霧も。手当してからにさせてくれよ、なぁ｣
ステインは瞬きをしてから、少し間を開けて
｢傷在り｣
と、顎でしゃくった。傷在りは眉根を寄せて不満げな声を漏らす。
｢ええ……｣と。
｢仕方ないだろ｣
｢師匠がそう言うなら……｣
傷在りは死柄木に近づくと、師匠がやった右肩の傷が良く見えるように服を少し千切る。
｢…………？｣
それから、傷に顔を近づけて、──そっと舌を這わせた。
｢うぉっ、なんだ｣
思わず声を上げた死柄木に、ステインが
｢大人しくしていろ。そいつの個性は『狼』。
動物は怪我をすると傷口を舐めるだろ。それと一緒だ｣
狼っぽいことをする傷在りは、そうやって治療するんだ。と言う。
｢いや、雑菌とかは大丈夫なのかよ｣
｢案ずるな、治癒力があるのは実証済みだ。｣
そうかよ、と言って死柄木は素直に大人しくなる。
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漱(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます！私自身もステインが好きなのでなにか思いついたらまた書こうかなーと思っております！ (2018年9月22日 20時) (
レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - また血染さんの小説書いて欲しいです血染さんに依存してます (2018年9月22日 18時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» コメントありがとうございます。私も大好きです……！ (2018年8月18日 20時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様凄く大好きです 好き過ぎて辛い (2018年8月18日 15時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - 黒にゃんさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけたのなら幸いです！ (2018年7月1日 22時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2017年6月27日 19時
