Coffee27 ページ27
｢……ありがとう｣
｢…え？｣
すれ違いざまに、誰かにそう言われて、思わず振り返ったが。そこには誰もおらず、ただ鈴の音が残り香のように反響していた。
不思議に思いながらも、Aのいる控え室へと向かう。
よく考えたら、Aのクラスの人がいそうな気もしたが──そんなことはなく、Aはジャージの上を脱いでTシャツ姿になり、汗を拭いていた。
｢おめでとう｣
｢….ありがとう…？｣
なんで疑問形なんだ、と聞くと笑って返される。
その笑みは、もう悲しくない。
Aは俺の3回戦進出におめでとうと言う。
｢コーヒいるか？｣
俺は缶コーヒーを突き出す。微糖だ。
｢……くれるの？｣
｢差し入れだ｣
｢…ありがとう。…アイス？｣
｢運動後にホットだと思うか？｣
｢言われてみれば、そうかも｣
喉が乾いていたのか、受け取るとさっさとプルタブを開けて飲み始める。カシュッと、爽快感のある音がした。
｢常闇どうだった？｣
｢…強かった、かな。バケツまで持ち込んでたから勝てたけど……あのまま続けてたら多分、負けてた｣
俺からすれば、常闇も強いだろうが、Aも充分強いと思う。
放課後ずっと一緒に練習していたのだからこれは自信を持って言える。
｢轟さん、次頑張って｣
Aがにこりと笑う。
どこか吹っ切れたような笑顔に、安心した。
｢何か、あったか｣
と聞いてみても
｢まぁね｣
とだけ答える。それからAはちらりと時計を見てから
｢さっきの話の続き、聞いてくれる？｣
と言った。
俺は黙ってAの正面の椅子に座った。
──────
15日から20まで定期考査があるので、
更新をお休みさせていただきます。
評価、お気に入り、閲覧など、ありがとうございます…！
相変わらず現実の私生活では心を病みそうな日々が続いていますが、ようやく前を向き始めたAさんのように、私もめげずに生きていきたいですね。
本編では、ようやくAさんがアイスコーヒーを口にしましたね。タイトルは雰囲気なんであまり関係はないんですけど。
書いてませんが、自主練の時に奢ったり奢られたりしていのではないかと思ってます。その時に、Aさんのアイスコーヒー好きを知ったんですかね。よく見てますね。
多分、自動販売機とか一緒に行って。クソ羨ましいですね。
ではでは
漱
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漱(プロフ) - ののさん» コメント＆ご指摘ありがとうございます。オリフラは外させていただきました。更新頑張ります！ (2017年6月8日 7時) (
レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - てくさん» ご指摘ありがとうございます。うっかりしておりました、申し訳ございません。オリフラは外させていただきました (2017年6月8日 7時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみに待っていますね。(あと私からも、フラグは外しましょう〜ってことだけ) (2017年6月7日 23時) (レス) id: 16d5514cae (このIDを非表示/違反報告)
てく - 違反になりますので、オリジナルフラグを外していただけませんか？ 作品作成のルール・注意点・ガイドラインにも載っていますのでおめ通しください (2017年6月7日 20時) (レス) id: dbfc4f8321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2017年6月7日 19時
