Coffee24 ページ24
その心も、
その想いも、
君が生み出したもの全て
君に最初からあったものだ。
そしてそれは、どうしようもなく
全部君のものだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『君の！力じゃないか！！』
少し遠くから、熱気と、風が吹いてくる。
みんな頑張ってる。
轟さんも、クラスメイトも、みんな。
なりたいものがあるから、やりたいことがあるから。
ざっ、と和装の足音。
私は後ろを振り返る。
｢──勝ちなさい、A｣
｢……………｣
その人は、こちらの顔など見ない。
きっと私を透かして、別のものを見ているのだろう。
｢貴女が私の代わりに、ヒーローになって敵を倒すのよ。その為に今までずっと戦ってきたんでしょう 。｣
｢勝たなきゃ意味が無いの。勝つ以外に選択肢はないわ。いい？あなたは私が勝つためにいるのよ｣
｢あの木偶の坊とは違うのよ｣
ちがう。
｢────｣
…………ちがう。
言えない。
でも、震えなかった。
私の心臓はちゃんと動いていた。
さっき握った手の温もりが、まだじんわりと残っていたから。暖かかった。
あの日、放課後に会ってからずっと。
ずっと私に、真っ向から挑んでくれた人の温もりだ。
私は、ゆっくりと息を吸いこんで、吐き出す。
｢……母さん｣
答えない。
｢……私は勝ちます｣
ようやく、母さんが私を見た。
｢そう、それでいいのよ。貴女は勝つためにいるの。だから───｣
私は、しっかりと見据えて言う。
｢───私は、私の為に勝ちます｣
母さんが、ぽかんとした顔になる。
目を丸くする。ただ、やっと私を見たということはわかった。
｢貴方の為ではなくて、自分のなりたいもののために。私の為に。勝ちます。｣
母さんは、まだ惚けていた。
何を言っているかわからないという顔だった。
だって、口答えするのは多分初めて。
でも、頑張ろうと思えた。轟さんも、他のみんなだって。
自分の為に頑張ってる。
私は背を向けて、一歩踏み出す前に、深く頭を下げた。
｢──ありがとうございました、母さん。｣
私の母さんでいてくれて。
私を強くしてくれて。
そのおかげで、今私は
───私の為に戦える。
───誰かの為に戦える。
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漱(プロフ) - ののさん» コメント＆ご指摘ありがとうございます。オリフラは外させていただきました。更新頑張ります！ (2017年6月8日 7時) (
レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - てくさん» ご指摘ありがとうございます。うっかりしておりました、申し訳ございません。オリフラは外させていただきました (2017年6月8日 7時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみに待っていますね。(あと私からも、フラグは外しましょう〜ってことだけ) (2017年6月7日 23時) (レス) id: 16d5514cae (このIDを非表示/違反報告)
てく - 違反になりますので、オリジナルフラグを外していただけませんか？ 作品作成のルール・注意点・ガイドラインにも載っていますのでおめ通しください (2017年6月7日 20時) (レス) id: dbfc4f8321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2017年6月7日 19時
