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「…………」
「…………」
最近気づいたのだけれど、学校が近いからか、私と出久くんは使っている電車が一緒だ。
今までお互いに認知していなかったから気づいていなかっただけで、ずっと同じ電車に乗っていたのだと思う。
あまり思い出したくはないけれど、あの日、出久くんに助けてもらった日から、出久くんは私を見つけると挨拶をしてくれる。それは駆け寄ってきて声をかけてくれたり、遠くで手を振るだけだったり、にっこりと笑いかけてくれたり、日によって様々。
本人は無意識かもしれないけれど、満員電車で壁になってくれたりして。
「……優しいなぁ」
「……？何か言った？」
「ううん、なんでもない」
そういう所は昔から変わらなくて、安心した。
君は昔からそうだ。
真っ直ぐで、めげなくて、へこたれることなんてなくて。憧れに一直線で、走り出したら止まらない。眩しいくらい、夢を見る人だ。
それから、嘘がとても下手だった。
「じゃあね」
「うん、頑張って」
改札を抜けて別方向へ歩き出す。私はこれからもう少しバスを乗り継がなければならない。
少しヘッドホンを外せば、人の心の声が流れ込んできた。鬱々とした、誰かが取りとめも無く考える言葉。
『しんどい』『帰りたいな』『今日も仕事か』『あの子に会うのやだな』『つらい』『やめたい』
「…………っ」
目眩がして、少しふらつく。その場にしゃがみこんで、息を整えた。
それでも、個性の制御、少しでもできるようにならなくては。
「……がんばろう」
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漱(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！少し語感が悪かったので返させていただきました！デク君落ちの小説少ないですよね！更新頑張らせていただきます！ (2018年8月21日 23時) (
レス) id: a1b019c15f (このIDを非表示/違反報告)
みかん - あれ？題名代わりました？緑谷くん落ちの作品が少なかったので、ありがとうございます。これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年8月21日 21時) (レス) id: 4c9134da1a (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - みかんぽんずさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです！更新頑張ります！ (2018年8月20日 16時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
みかんぽんず - 序盤ですが、とっても素敵です…！緑谷くんと夢主ちゃんが今後どうなるのか、ドキドキです！（笑） (2018年8月20日 10時) (レス) id: ebb094bbec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2018年8月18日 20時
