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彼が無個性だというのがわかった時は、私もショックだった。
隣に座って泣き続ける彼の、馬鹿にされる彼の隣にいてあげることしか出来なくて。そんな自分が歯痒くて。でも庇うことも出来なくて。
──彼は私を助けてくれたのに、私は彼を助けられないのね
こんな時に心の声が聞こえれば、なにか気の利いた言葉一つくらいはかけてあげることが出来たのかもしれないけれど、やっぱり聞こえなかった。
小学校の途中で父親の転勤が決まった。
引越しが決まって、沢山泣いたのを覚えている。友達なんて出久くんしかいないのに、新しい場所でやっていくなんて無理だ。
そんなこと言っても結構は引っ越して、それ以来彼には会っていなかった。正直、偶然で合わなければ大人になる途中で忘れていたと思う。少なくとも、出久くんは。
引っ越してすぐ、サポートアイテムを開発する会社から連絡があって、私の個性を遮断するアイテムが出来たとのことで。
そのヘッドホンをすれば、人の心の声は聞こえなくなって。
それはとても望んでいたことのはずなのに、何故か物足りないような気もして、やっぱり声が聞こえなくても人は怖かった。
個性の再検査をして、私の個性は『無個性の人には適応されない』ことがわかって。
だから出久くんの心の声が聞こえなかったんだ。そう理解して。
何だかやるせなくなった。
出久くんは私のヒーローだった。
でも、彼は私のヒーローであるが故に、ヒーローにはなれなかったのだから。
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漱(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！少し語感が悪かったので返させていただきました！デク君落ちの小説少ないですよね！更新頑張らせていただきます！ (2018年8月21日 23時) (
レス) id: a1b019c15f (このIDを非表示/違反報告)
みかん - あれ？題名代わりました？緑谷くん落ちの作品が少なかったので、ありがとうございます。これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年8月21日 21時) (レス) id: 4c9134da1a (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - みかんぽんずさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです！更新頑張ります！ (2018年8月20日 16時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
みかんぽんず - 序盤ですが、とっても素敵です…！緑谷くんと夢主ちゃんが今後どうなるのか、ドキドキです！（笑） (2018年8月20日 10時) (レス) id: ebb094bbec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2018年8月18日 20時
