REVERSE. 2 ページ17
マリンside.
ーーーーーーーーーーーー
___ほんの１ヶ月前のことだった。
小舟に乗っていた私は、グランドラインにあるどこかの無人島に漂流してしまった。
……元々、とある海賊団の船長の娘だった私は
海賊船でそれは大事に守られ育てられていた。
しかしある日、宝を奪った敵船が傘下を引き連れ報復にやってきて。
仲間だった船員たちは私を逃がすために、1隻しかない小舟になんとか私を乗せようとした。
＿＿"どうして！？私も一緒に戦わせてよ！！！最後まで皆と一緒にいたい…！！1人は寂しいの！！！！！"＿＿＿
逃げることなんてできない、と泣き叫んで抵抗する私に、誰もが辛そうに顔を歪ませる。
……そんな中、1人の船員が
私の両肩をグッと掴んで宥めるようにこう言った。
____"……いいかマリン、よく聞け。
お前も今まで見てきたからわかるだろうが、海は広いんだ。
いつか必ずお前を愛してくれる仲間ができる。
いつも言っているだろ？お前は誰よりも愛らしくて、まるで天使のようだと。
おれ達がいなくたってきっと誰かが、寂しがり屋なお前にかまってくれるよ"＿＿＿
その後は、何が言いたいのかと困惑する私にそれを聞く隙すらも与えず
彼は無理やり私を船に乗せて遠くへと追いやった。
……泣きながら、ただひたすら
必死に船を漕いで。
そうして気付けば、無人島に辿り着いていたのだ。
マリン「……だれか……
……誰か、いませんか……！？」
島に着くなり、真っ先に島中を歩き回り人を探した。
……でも、辺りが夕焼けに染まって
やがて真っ暗な森へと化した頃
ようやくそこが"無人島"であることを理解した。
マリン「……
……誰も、いないのね…」
浜辺まで歩いて、真っ暗な海を見つめる。
寂しくて寂しくてどうしようもなかった。
マリン「……嘘つき。仲間なんて、どこにもいないじゃん……」
私を逃がしてくれた仲間達を思い出す。
……あれだけの敵船に囲まれていたのだ、無事でいられるはずがない。
せっかく逃がしてくれたのに。
結局、私はここで死ぬのかな
しゃがみ込んで静かに嗚咽を漏らしながら
そんな考えが頭の中に浮かんでは消えて、浮かんでは消えて。
幾度もそれを繰り返して数時間が経ち
ようやく私は立ち上がった。
マリン「……どうせ死ぬなら、"天使のように"…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1781人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
初心者です！ - あったあったダイナマイト！マリンに投げてこよ (11月26日 8時) (
レス) id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
あ - 更新どっかに落っこちてぇかなぁ。 (7月15日 22時) (レス) @page23 id: 71597d68ff (このIDを非表示/違反報告)
ぼくのなつやすみ(プロフ) - るしゃんしゃんピーナッツさん» コメントありがとうございます！！沢山読んでいただけて嬉しいです…！！(感激)超不定期更新ですが何卒よろしくお願いいたします…！！ (2023年3月24日 0時) (レス) id: 246b1a9deb (このIDを非表示/違反報告)
るしゃんしゃんピーナッツ(プロフ) - 更新ありがとうございます！昨日見始めましたけど全部見させていただきました！どれも楽しんで読ませていただいております(*^^*) (2023年3月23日 19時) (レス) id: 7bc9f0a3bc (このIDを非表示/違反報告)
ぼくのなつやすみ(プロフ) - ヒナさん» ヒナ様、いつもありがとうございます♡まだ読んでくださる方がいるのが凄く嬉しいです…！他作品諸共ゆっくりですが更新していこうかなと思っていますので、引き続き楽しみにしていただけたら幸いです❁⃘ (2023年2月28日 21時) (レス) id: 069408cbcf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぼくのなつやすみ | 作成日時：2022年9月24日 7時
