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「それつけんの?」
部屋に戻っていつもと同じ寝る準備。
でも、それは淳太君にとったらいつも、なんてもんじゃない。
っていうか、俺以外の人にとったら明らかな非日常。
「うん。」
心配そうなその目に心が苦しくなる。
「でも、俺1人でつけれるから大丈夫やで?」
余計な心配はさせたくない。
そんな目、せんといて?
俺は大丈夫やから。
「それせんかったらしんどい?」
しんどいよ。
今は大丈夫でも、寝てる間にしんどくなる。
でも、そんなこと言えるわけがない。
「そやなぁ・・・。朝がちょっとしんどいかな。」
「そっか。」
きっと何の病気か言うてないから、探ってるんやろうな。
いや、もしかしたら淳太君やったらもうわかってるんかも。
そしたら俺がついてる嘘もバレバレやなぁ。
「ホンマにしんどかったら、ちゃんと言うんやで?」
ほら、やっぱり。
もうわかってるんや。
そりゃそうやんな。
淳太君は賢いんやもん。
俺とは違う。
「うん。ありがとう。」
俺はそれに甘えられるほど素直じゃない。
「おやすみ。」
「おやすみ。」
いつもは返ってこない言葉が今は1人じゃないと示してくれる。
それは、嬉しいこと。
自分が1人じゃないと実感できるから。
同時に、それは辛いこと。
自分が1人では決して生きていけないと実感させられるから。
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おふトト(プロフ) - 素敵なお話で、読んでいて心が温かくなりました。ありがとうございました! (2018年2月22日 20時) (レス) id: 294129544f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:roma-tan | 作成日時:2017年6月8日 17時