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早速淳太君を俺が寝泊まりしてる棟に連れて行った。
ここは交代で当直をしてる先生が寝泊まりするところ。
同時に研修医さんが寝泊まりするところでもある。
俺の家になったのはつい最近。
元々俺も一般病棟におったから。
でも、だんだん病室がいっぱいになってきたから症状に変化のない俺はこっちに移った。
もしなんかあっても誰かしら先生おるし。
今日からは淳太君もいるし。
俺なんかより必要となってる人が病室を使うべきやろ?
「ちょっと、ぼろいけど悪くはないやろ?」
「うん・・・」
返ってきたのは暗い返事。
理由は簡単。
2つあるベッドのうち、片方にある機械のせい。
あんだけいろんな機械の説明してくれた淳太君やから、もちろんこれのことも知ってるはず。
「大丈夫やで。
これつけるの、寝るときだけやから。
心配せんといて?」
「照史、何の病気なん?」
説明するのは難しい。
俺もよくわかってへんから。
ただ、治すのが難しいってことしかわからへん。
でも、すっごい簡単でいいなら言える。
「普通の人より、ちょっと肺が仕事さぼってるだけ。」
この答えに満足してくれる、なんて思ってない。
でも淳太君は優しい。
「なんかあったらちゃんと言うてや?」
これ以上のことは聞かへんから。
きっと俺が自分からしゃべるまで淳太君は聞かへん。
「・・うん。」
正直、研修医の淳太君にはあんまり迷惑はかけたくない。
でも、きっとかけざるを得なくなる。
「そや、秘密の場所連れてったる!」
それを気づかれたくなくて。
その現実から目をそらしたくて。
違う話に変えた。
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おふトト(プロフ) - 素敵なお話で、読んでいて心が温かくなりました。ありがとうございました! (2018年2月22日 20時) (レス) id: 294129544f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:roma-tan | 作成日時:2017年6月8日 17時