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「じゃ、案内してもらってもいい?」

「ええよ!どこからがいい?」

俺もちょっと努力して距離を縮めんとアカンな。





その日は広い院内を照史に案内してもらった。

チラチラ見える病室の機器たちは、どれも最新のもんばっかり。

改めてこの病院のすごさを感じさせられる。


でも、医者じゃない照史はもちろんそんなこと知らんわけで。



「あの機械、いっつもあそこにおんねん。」

「あれ使ってるのとか見たことない。」

「あっちのヤツ、ドラえもんに出てきそうやと思わん?」

まぁ、一応どれも使い方を知ってる俺からするとクスッと笑ってしまうような感想ばかりで。


「もう、笑わんとってやぁ。」

ちょっと拗ねた顔でこっちを見る。

「だって俺、あの機械たちの使い方とかちゃんと知ってるから。」

「じゃあ、あれは?」

「あれはな・・・」



医者じゃない照史に、医者でも難しいような機械のことを説明するのは結構難しい。

けど、それを真剣に聞いてくれる照史の視線は、なんか、引き込まれるもんがあった。


「淳太君、話すの上手やな?」

「へ?」

「俺、全然勉強とかしてへんけど、なんとなくわかった気するし。」

嘘なんか、ホンマなんかは分からへん。

でも、嬉しい。


「あ、いたいた。」

廊下の反対側から叔父が歩いてくるのが見えた。


「ごめん、1つ言い忘れてて。」

「どうしたんですか?」

「いや、2人、同じ部屋で寝てもらってええか?」

「え?」



同じ、部屋・・・?



「あ、俺寝てんの、病室ちゃうから安心してええよ。」

「え、いや、そういうことじゃなくて。」

患者扱いやのに病室で寝てないことも疑問やけど!

それよりなんで同じ部屋?



「そうそう。
桐山君は隣の医者が寝泊まりする用の棟やから。
どうせベッドは余るほどあるはずやし、よろしくな!」


すごく明るく言われる。

しかもそう言ってから叔父はどこかに行ってしまった。



「桐山君、起きたときに苦しそうにしてるかもしらんけど、なんとかしたってな。」



俺にしか聞こえん声で耳打ちしてから。



「じゃ、そっちも案内するな?」



朝起きたときに苦しそうにしてる?

一体照史は何の病気?



「淳太君?」



いや、今はとりあえず照史についていこう。

どうせ後々わかることなんやし。



「ううん、ごめん。行こか。」

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おふトト(プロフ) - 素敵なお話で、読んでいて心が温かくなりました。ありがとうございました! (2018年2月22日 20時) (レス) id: 294129544f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:roma-tan | 作成日時:2017年6月8日 17時

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