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「淳太君、おやすみ。」
風呂から上がって部屋に戻ると、すぐに寝ようとした照史。
「なぁ、照史。」
でもそれはちょっと待って?
「ん・・・?」
もう眠そうな声。
「歌、楽しみにしてるな。」
でも、これだけは言っとかなアカンな、って。
これからもっと忙しくなる。
きっと寝る時間とかもバラバラになる。
そしたら、こうやって話す時間もなくなっちゃう。
「たまに聞きに来てや。」
「俺行ったらほかの先生も一緒やで?」
「あぁ、それはアカンなぁ。」
眠いんやろなって声。
でも真剣な顔してる。
その姿は子どもみたい。
もうさっきの冷たい声は見る影もない。
「じゃあ、本番までお預けか。」
「やから楽しみにしてる、って言うてんで?」
「んー、残念。」
「何が?」
「淳太君の歌聞きたかってんけどな。」
「歌わへんって言うたやん。」
「じゃあ、今でええから!」
「やから、歌わんって。」
「えー、聞いてるの、俺だけやで?」
「歌わんもんは歌わん。」
「お願い!」
「ほら、もう寝るで!」
「ちょ、淳太くーん・・・」
もう、昼で諦めてくれたと思ってたのに。
無理矢理電気を消して会話を終わらした。
まあ、ちょっと笑ってくれてたしええよな?
ただ、これは次に同じ時間に寝れるときにまた言われるヤツやな・・・。
俺、そんな歌うまないからなんとしても拒否しやんと。
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おふトト(プロフ) - 素敵なお話で、読んでいて心が温かくなりました。ありがとうございました! (2018年2月22日 20時) (レス) id: 294129544f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:roma-tan | 作成日時:2017年6月8日 17時