第25話 by暁月 ページ25
そういえばあの昼の間に置いておいたノートはどうなったのだろうか。見張りとかに回収されてなければいいのだが。そう思いながら遥は罪人共有スペースに向かった。
ノートのページをめくっていくと自分自身の脱獄の超簡単な計画が途絶え、遥ではない人が書いたであろう文字がたくさん出てくる。
『わたしもここからでたいな!!おへんじまってます』
『こんにちは、私もここから出たいです!どこかで集まれないでしょうかね?ご返事よろしくお願いします』
『俺もここから出たい、力仕事なら得意だから任せて』
『自分も脱獄したいです。この前見張りの話を盗み聞きしていて聞こえてきたのですが(ブラフの可能性もあります)、皆様は『真夜中の日』をご存知でしょうか?なんでも、夜の国の電気が全て落ちて真っ暗になるそうです。その日に何か行動を起こせないでしょうか?』
等々。結構脱獄したい人はいるようだ。まあそれは当たり前か、と自分の考えに苦笑して、遥はその次のページに書き込むことにした。もちろん、ノートの持ち主だと分かるように前と変わらない几帳面な文字で。
『皆様、書き込みありがとうございます。真夜中の日ならば僕も実際に経験したことがあります。1年に1度しかないので脱獄をするならその日を逃してはいけないと思います。もし皆様が可能であれば○月△日に昼の間に集まって1度顔合わせをしたいと思います。ノートに書き込んでいない方も、よければお集まり下さい』
なんだか自分が脱獄の中心になっているようで不思議な感じがする。遥はそう思った。今までは大人しかったはずの結城遥が突然反抗しだしたと聞いたら、処刑人は黙っていないだろうか。きっといち早く遥は処刑されることになるのだろう。
「3日後が待ちきれませんね」
集まりやすいようにと設定した3日後という日にちは思ったよりも長く、2日くらいにすればよかったかな、と考えていた遥は自分が思っていたよりも脱獄したいのだと気づかされた。
一体どんな人が何人集まるのだろうか。ワクワクしながら遥は自分の牢屋にに向かって歩いていった。心なしか先程昼の間に来た時よりも足取りが軽いような気がした。
13人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カルク(プロフ) - 更新しました!! (2019年7月17日 8時) (レス) id: 46db662a70 (このIDを非表示/違反報告)
カルク(プロフ) - 更新させていただきます! (2019年7月17日 7時) (レス) id: 46db662a70 (このIDを非表示/違反報告)
nekoarisu(プロフ) - 更新させていただきました! (2019年7月16日 21時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
nekoarisu(プロフ) - 更新させていただきます! (2019年7月16日 21時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - しました! (2019年7月16日 15時) (レス) id: 9ffca39a54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ