第20話 by毒りんごの皮 ページ20
Side 松陽院 真昼
俺には一人の兄がいる。
この“夜の国”で働く兄が。
俺は最近になってからここの罪人として入れられた。
俺がいつも通り町中を歩いており、悲惨な事故現場を見たら、何故か警察が俺を取り囲んでいたのを最後に記憶は途切れている。
目が覚めると兄が俺を見下ろし、とても冷めた目で見ていた。
兄は正義感が強い、だから犯罪を犯しかねない人達を許せないのだろう。
俺はあのときの事を思い出して少し震えた。
気分でも変えようと共有スペースに向かうと机にノートが置いてあった。
ノートに紙切れが置いてありそれにはこう書いてあった。
『ここから逃げ出したい方へ』
ノートを見ると様々なことが書かれていたが、ここから出たいという意志が様々な人達によって綴られていた。
見張りの人に見られないように一度牢屋に戻ったあと
『俺もここから出たい、力仕事なら得意だから任せて』
と、書いた。
名前を伏せているから任せるも何も無いと思うが一応、俺の字だとバレないように気をつけながら書いた。
そこで、ふと廊下を見ると一人の見廻りをしている看守であろう女性に見られた。
思わず顔がひきつったが彼女は
「ほかの人には秘密にしておくね」
と、微笑みながら言った。
どうやら見逃してくれるらしい。
俺は感謝意味を込めてなるべく深く礼をした。
あの人は見逃してくれたが、他の人に見られたらまずい。
俺はそのまま共有スペースに戻り、ノートを元の位置に戻した。
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カルク(プロフ) - 更新しました!! (2019年7月17日 8時) (レス) id: 46db662a70 (このIDを非表示/違反報告)
カルク(プロフ) - 更新させていただきます! (2019年7月17日 7時) (レス) id: 46db662a70 (このIDを非表示/違反報告)
nekoarisu(プロフ) - 更新させていただきました! (2019年7月16日 21時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
nekoarisu(プロフ) - 更新させていただきます! (2019年7月16日 21時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - しました! (2019年7月16日 15時) (レス) id: 9ffca39a54 (このIDを非表示/違反報告)
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