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序章・夢の中 ページ1
僕は、あまり他人に好かれない人間だった。
どうも僕は物分かりが悪いと。空気が読めないと。
学校の友人はそう言って皆、僕から離れていった。
僕はそんな彼らをよく分からないまま、笑顔で見送っていく。
すると彼らは、皆一様に顔をしかめて去っていく。
僕は、何故彼らがそんな顔をするのか分からなかった。
そんな僕に手を焼いていたのは友人だけでなく、両親もだった。
両親は僕が話すのをあまり好んではいなかった。
僕は暫くそれに気が付かなかったけれど、ある日僕が話しているのを��心底うんざりだ��という目で彼らは見ていた。
そんな目と僕は目が合ってしまった。
だからだろうか。
僕は話すことをやめてしまった。
何故話すのをやめたのか、僕には分からなかった。
でも、そんな僕にも僕を愛してくれる人がいた。
それは僕の兄だった。
とても強かで、美しい兄。
白く長い髪が印象的だった。
兄は、周りの人が僕に失望して離れていく中、ただ一人僕の側にいて、話しかけてくれた。
兄は僕のたった一人の友人で、家族であってくれた。
僕はそんな兄の弟であれたことを、いつまでも、誇りに思っている＿＿＿
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作者名：フクロウβ | 作成日時：2020年4月16日 4時
