Love Situation【ars短編集】３ (ページ5)

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その日から二宮くんはフラッと僕のところへやって来るようになった。

二宮くんがゲームの話とか好きな女優さんの話だとかを一方的に喋り、僕がそれに相槌をいれるような。

和也「前から思ってたけどさぁ～」

雅紀「ちょ、ちょっと……」

ずい、と身を乗り出すように僕に顔を近づけた二宮くんは

僕のかけているメガネをヒョイと取り上げ小さく笑った。

和也「あなた眼鏡かけない方がいいよ」

雅紀「で、でもそれがないとあんまり見えないし……」

和也「コンタクトにすればいいじゃん。せっかく綺麗な顔してんのにもったいないよ？」

二宮くんの方がずっとずっと綺麗なのに。

……なんてセリフが言えるはずもなく。

僕は少し恥ずかしくて曖昧に笑った。

「二宮ァ！だからお前髪の毛黒染めしろって言ってんだろうが！」

和也「しつけーんだよ！オッサン！」

でもそんな空間が終わるのはいつも同じ。

生活指導の大野先生がやってくる時だ。

智「誰がオッサンだ！」

和也「オッサンだろ！」

智「いーから来い！ったくお前ってやつは…」

首根っこ掴まれてズルズルと引きずられていく二宮くんを僕はポカーンと見るだけで。

和也「相葉さん助けて～～」

智「相葉ァ、ちょっとコイツ借りるよ」

どうすればいいのかよく分からなかった僕は

棒読みで助けを求める二宮くんに小さく手を振った。