Love Situation【ars短編集】３ (ページ17)

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雅紀「俺のものになりなよ」

裸の上にシャツを羽織りながら彼はそう言った。

雅紀「誰かさんと違って独身だし。こう見えて俺一途なんだよ？」

何が一途だ。

昨日出会ったばかりで。

翔「…………」

ふざけるなと思うのに。

彼の綺麗な笑顔から目が離せない。

雅紀「言っておくけど俺、櫻井サンに会ったの昨日が初めてじゃないよ？」

翔「は……？」

雅紀「ホラ」

差し出された小さな紙。

『KNグループ専務取締役相葉雅紀』

翔「専務…………」

雅紀「そ。何回も会社の中で会ってる。櫻井サンは覚えてもいないだろうけど」

まさかこの人がウチの会社の専務だったなんて。

信じられない。俺はそんな顔をしていたんだろう。

相葉はあの歪んだ笑みを浮かべて俺に近付く。

雅紀「俺は初めて会った時から櫻井サン一筋なんだけどな？」

信じてよ、なんて。

無茶苦茶なことを言う声は優しい。

翔「お、俺には……潤が……」

雅紀「潤ともう会うことはないよ。昨日付でやめさせたからね」

翔「……は……？」

雅紀「潤自らの申し出だよ？そんな顔しないでよ(笑)」

だから、俺に愛されなさい。と

相葉はニッコリと俺に向かって恐ろしいくらい綺麗に笑って見せた。