No.243 ページ5
その日の夜
PM7:00
体育館γ TDLにて…
BOOM
「オ"ラ"どうした、びびってんのかゴラ」
「待ってって！！
待って、マジで出ないんだって」
「やめーーー！！
そういうんじゃないから、
落ち着きなさイブハッ」BURST
目の前では、緑谷の中に眠る“個性”を引き出そうとして攻撃する爆豪と彼から逃げる緑谷。
横には大声を出し血を吐くオールマイト。
……とカオスな場である。
「とりあえず三人は落ち着きなさいって。
無駄な体力使わないの」
「ヤバくなりゃ出るもんだろうが、こういうのは！」
「出る出ないの問題じゃないの。
それでデクくん、“個性”の状態は？」
「…やっぱり、出ないです。
“気配が消えた”…」
青海が制すれば二人は着地して、
緑谷の様子を伺う。
何事も無いが、緑谷曰く“気配が消えた”という事で青海も探りを入れるものの、幾つかの気配はする。
『多分、私が察する気配は今までの継承者ね。
オールマイトの気配含めて八人。』
授業が終わってから、
四人は学校の仮眠室に集まって緑谷に起きている事を改めて聞き、現状を探った。
『先代の“個性”。
ワン・フォー・オールそのものの成長…か』
『いっつもここで話してたんか』
『うん。
かっちゃんと十文字さんも来ててびっくりした。』
『爆豪少年も十文字少女も、
秘密を共有する者としてね。』
『オールマイトは知ってたんですか？
黒い“個性”の事』
『私も初めてだ。
スキンヘッドの継承者____…
お師匠の前の継承者は黒髪の青年と聞いている。
歴代継承者の“個性”が備わっていた事、
恐らくお師匠も知らなかったはず。』
『じゃあ現状、てめーが初ってことだなゴミ。
オイ何かキッカケらしーキッカケあったんか。』
『ゴミ言わない』
『ううん、全く…
ただ、時は満ちたとだけ言ってた…
何か外的な因果関係があるのかも…』
『ってなると、
やっぱりオール・フォー・ワンが関係ありそうね。
こんな事は言いたくないけど、
ワン・フォー・オールは元々、
あいつの“個性”から派生したんでしょ？
複数の“個性”を所持_____…
あなたは今、あいつと同じになってる。
あいつと同じにならない為に、
色々と知る必要がありそうね』
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