夏の始まり-5- ページ5
．
A「暑っつ.....」
帰ってそうそうエアコンをつけてすぐにお風呂へ向かう。
ベタベタして気持ちが悪い。
でも、夏なんだと感じるひとつでもある。
A「..あああ゛〜」
扇風機に向かって小さな子がよくする真似をしてみる。
大学生というのの扇風機に涼むだけじゃなんとも退屈だ。
少しくらい子供っぽいことだってする。
風呂あがりにひとつにまとめた髪にヘアバンドをつけてパックして
女子らしいことをしながら岸くんから貰ったキンキンに冷やしておいたソーダを冷蔵庫から取り出す
A「〜〜〜〜っ〜！！！！」
知覚過敏か、と突っ込みたいほどに口全体に染みるようにソーダを口いっぱいにした。
コンコン、
廉「なぁーーーーー」
忘れてた。
厄介なやつが隣に住んでいたこと。
パックをした状態だったことを忘れて面倒なのでそのまま扉を開く。
A「なに？永瀬くん」
廉「うわっ！！！！！...なんやパックかいな......」
焦った〜と胸を落とした。
女子のパック姿はそんな見るものじゃないものな、それはビビる。
と扉の前に立たせておくのもなんだが可哀想なので玄関に入れた。
廉「うっわ、めっちゃ女子って感じの玄関や」
A「どうでもいいから、なに？こんな夜に」
ジロジロと周りを見ながらおお〜と関心しているようだが
もう時計の針は8時を過ぎている。
明るい夏でもさすがにもう暗い。
廉「ああ、これ、作りすぎたんやけどいるかなって」
A「え...？これ、肉じゃが？？」
お皿にサランラップされただけの結構多めの肉じゃが
こんなの明日のご飯にすればいいのに
廉「明日、じんの家に泊まるから食べれへんの。悪くしたら嫌やしやるわ」
A「あ....いいの？じゃあ貰うね？」
この人は何を考えているんだろう。
初日はあんだけ失礼な態度をとって今は作りすぎたと、
料理男子アピールか....
まぁ確かに悪くしちゃうよりも食べてもらった方が私もいい。
廉「.....パック、、、しとる方が顔マシなんやない？」
そう言ってじゃ！と扉を閉めて帰って行った永瀬くん。
少し頭の中で考えてベランダに出て叫んだ
A「ふ、ふざけんな永瀬ーーー！！！！」
.
((案外女子力高いんやな))
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作者名：ながばし
| 作成日時：2018年8月1日 19時
