【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生３（完）

第128話 ページ39

快｢助けに来たぜ！お姫様？｣


声にハッとして目を開けると、いつものように笑っている快斗の姿が映った。


A｢快、斗…快斗！｣
快｢うおっ！ちょっA、近い…｣


助かったという安心感から快斗の首に手を回し思いっきり抱きついた。


A｢怖かった｣
快｢間に合ってよかったぜ…｣


そう言うと私の体をギュッと抱き寄せた。



No side＿＿＿

炎と噴煙を巻き上げながら、マリーナベイに突っ込んでいった。
凄まじい風圧が屋上を襲い、バーのテーブルや椅子が後方へ吹き飛ぶ。

先ほど空中に投げ出されたAを除き、皆手すりや展望デッキのポールに掴まって必死に耐える。


同じ頃、観覧車に宙吊りになっていた海賊は目の前に巨大な船が迫ってきて｢うわあああ！｣と手足をバタバタさせた。

船の先端を大きく下げたスカイパークは、轟音を立てながらマリーナベイに着水し、巨大な水柱が立ち上った。

噴き上がった大量の海水が雨のように炎上した地上に降り注ぎ、ホテル周辺の火災が鎮火していく。


＿＿＿


海水の雨は対岸のマーライオン・パークにも降り注ぎ、マリーナベイに落ちたスカイパークを呆然と見ていたジョンハンは、気の抜けたような顔でペタンと尻餅をついた。


ア「《大丈夫ですか？》｣


ボディーガードに支えられたジョンハンは、巨大な船体を失った３つのホテルタワーをぼんやりと見上げていた。

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