【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生３（完）

第91話 ページ2

No side


阿笠博士の家のリビングのソファで本を読んでいた灰原に、コナンから電話がかかってきた。

その後ろでは、遊びに来ていた吉田歩美、円谷光彦、小嶋元太が騒ぎながら走り回っている。


哀｢あなたねぇ！『やっぱ北海道行く』って突然博士に電話してきたっきり、今何してるの！？｣
コ『わりぃ、灰原。こっちも色々あって…』


電話の声が聞こえにくく、灰原は振り返って


哀｢アンタ達ちょっと静かにしてて！｣


｢は〜い｣と返事した子供達は、なんだろう？とソファの後ろから灰原を覗き込む。


哀｢まったく…どうせまたどこかで事件に巻き込まれてるんでしょ｣
コ『実はその通りでさ。今キッドの撮った写真のデータをそっちに送ったんだけど…』
哀｢キッド？今キッドって言った！？｣


思いがけない名前が出てきて、灰原は目を丸くした。


歩｢うそ〜！怪盗キッドが出たの！？｣
光｢電話、コナンくんですよね？コナンくんが今いるのって、北海道でしたっけ？｣
元｢キッドが何盗むんだよ｣
歩｢木彫りのくまさんとか？｣
元｢札幌ラーメンじゃね？｣
光｢そんなの盗みませんよ｣


北海道の話で盛り上がる3人は灰原の元へ駆け出した。


歩｢哀ちゃーん！｣
光｢電話代わってください！｣
元｢オ、オレもー！｣


最後に走ってきた元太が勢い余って倒れ、歩美と光彦も巻き込まれて｢わぁ〜！｣と総倒れになった。
灰原は倒れている子供達とは反対側を向き


哀｢ごめん、今、子供達が遊びに来てて…｣
コ『そ、そうか。詳しい話は帰ってするから、今はそれに写ってる男の身元を調べてほしいんだ』
哀｢ハイハイ、わかったわ｣


灰原はソファに置いてあったノートパソコンを膝の上で開いた。


哀｢あなた、本当に大丈夫なのね？｣
コ『ああ、なんとかな』
哀｢どうせ言ってもムダなんでしょうけど、無茶しないように！｣


事件解決のためならば自分の身の犠牲も厭わないコナンに釘を刺すように言い放ち電話を切った。

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