【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生

第3話 ページ4

タワー3のエレベーターから続々と人が出ていき、最後にあのレストランにいた女が出てきた。

先程と違いフラフラと歩いていく。
その女のあとに着いてゆくように赤い液体＿＿＿血痕が落ちていた。

別のエレベーターも上の階から降りてきた。
乗っている人はたった一人の男、あのレストランにいた男だ。

青い大きなスーツケースを引いた男は、女をサングラス越しにじっと見ていた。

大勢の観光客で賑わうショッピングモール内を女はフラフラと覚束無い足取りで進んでいく。
すると突然ドサリとカバンを落としヒールの靴を脱ぎながら走った。
そのままドンッと男女二人組にぶつかると、もたれ掛かるように倒れた。


観(男)｢《大丈夫？》｣


観光客の男は女を支えている左手が濡れていることに気づき、左手を見ると真っ赤な血がついていた。

心配そうに見ていた連れの女が、支えられている女の背中に銀色のナイフが刺さっていることに気づいた。


観(女)｢きゃああああああ!!!｣
観(男)｢うわあああ！！｣


女は悲鳴をあげ、男は驚き支えていた女を離し、尻餅をついた。
女はうつ伏せで床に倒れ、ピクリとも動かない。

悲鳴を聞いた他の観光客は足を止め、反対側の通路を歩いていた観光客も立ち止まって、倒れた女性の方を見た。

その中には、あのスーツケースを持った男の姿もあった。

第4話→←第2話

ラッキーアイテム

蝶ネクタイ型変声期

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す