Love Situation【ars短編集】 (ページ34)

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智「お疲れさーん」

仕事終わり、彼は一番に俺の所へ飛んでくる。

気付いていないだろうけど

智くんはかなりの人気者だ。

男女問わず、皆が智くんに憧れている。

先輩として

同期として

後輩として

部下として

そして恋の相手として。

智「ねえ、夕飯一緒に行こうよ」

おかげで俺は皆から羨望の眼差しを受けるとともに嫉妬もされる。

でもさぁ、そんなの俺の知ったことじゃないし。

智「酒！酒！ビール！」

雅紀「分かった分かった(笑)」

皆の視線を目の前から、後ろから浴びながら俺は残った仕事を終わらせた。

智「金曜日だし気にせず飲める～♪」

雅紀「……程々にね」

可愛い見た目からは想像出来ないくらい

智くんはかなりお酒に強い。

だから智くんの言う『いっぱい飲もう』は俺からするととんでもない量だ。

逆に智くんから見た俺は全然飲まない人で、『もっと飲め』と飲まされることも少なくない。

おかげで智くんと飲みに行く日は

スコーン！とその夜だけ見事に記憶が飛んでいる。

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智「生二つ」

雅紀「あと枝豆」

個室のような雰囲気がお気に入りの居酒屋で

智くんは嬉しそうにニコニコ笑った。

二人きりの空間。

俺にとっては天国でもあり、地獄でもある。