Love Situation【ars短編集】 (ページ17)

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荷物の差出人は母ちゃん。

ダンボールの中は

一人暮らしをする俺を心配しているとの手紙と、お米と野菜。

雅紀「あ、もしもし。母ちゃん？……うん、荷物届いた。ありがと」

荷物が届いたら必ず連絡しなさい、と母ちゃんはいつもうるさいから

今ではすっかりすぐに電話する癖がついてしまった。

雅紀「あのさぁ、他に送るものない？何でもいいんだけど……、なんか送ってくれない？」

大野さんに会いたいから、という俺の心はもう潤にはバレバレだったみたい。

呆れた顔をした潤と目が合って俺は慌てて視線を逸らした。

雅紀「取り敢えずなんか送って！じゃあね！」

『はぁ？』とキョトンとした様子の母ちゃんを無視して電話を切る。

だって、それでしか大野さんに会える方法が無いんだもん。

潤「素直っつーか……馬鹿っつーか……」

雅紀「いいの！大野さんに会いたいんだもん！」

開き直った俺に潤は表情を変えず、鼻でフンと馬鹿にしたように笑った。