Love Situation【ars短編集】 (ページ12)

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翔さんの結婚式の時だ。

大野さんとブーケを取ってしまったのは。

次の花嫁……なんて事は無いだろうけど幸せのバトンタッチということでは多分、意味のあるものだったのだと思う。

和也「傍にいたい……って愛の告白みたいだな」

智「照れるぅ～」

和也「なんでオネエになるんだよ(笑)」

きっと俺らはこうしてずっと一緒にいるんだろうな。

並んで眩しさに目を細めて

叶わぬ恋を大事に大事に抱きしめる。

和也「大野さん」

智「んぁ？」

和也「キスしていい？」

はぁ？とか

馬鹿じゃねーの、とか

そう返されるかと思ったけど。

大野さんは笑っていた。

『するか』と短く言って。

和也「翔ちゃんじゃなきゃヤダ、って言うかと思った」

智「お前こそ相葉ちゃんが良かったってキスしてから言うなよ？」

俺らは暫く顔を見合わせて

ブハ！と吹き出す。

和也「……」

智「……」

そしてどちらからともなく自然に唇が重なった。

一生友達のままでいる男とのキスは

甘くも無く、何の感動もない。

でも。それで良かった。

俺らはそれでいいんだ。

和也「メシ。食いに行くか」

智「奢ってくれんの？」

和也「奢らねえよ」

ああ、今日も。

一日が終わる。

笑っていよう。

幸せになる為に。