Love Situation【ars短編集】 (ページ11)

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④(sideN) ページ11

ゆっくりと日が落ちてゆく。

いい歳になったせいか、一日の始まりや終わりを深く感じるようになった。

智「何してんの？」

和也「別に～」

もうあれから何年だ。

それなりに時間は過ぎて俺らはもうオジサンと呼ばれる歳になっていた。

智「眩しいね～……」

俺たちの想いは消えぬまま時間だけが進んでしまった。

和也「相葉さんからメール来てたの見た？」

智「え、見てない」

和也「また五人で飯行こうってさ」

翔さんが結婚して

相葉さんが結婚して

それでも俺達は変わらず五人で集まる。

智「忘れられた？」

何を？とは聞かない。

大野さんもそれ以上は何も言わない。

和也「眩しいねえ……」

忘れられるわけない。

一生忘れるもんか。

それは大野さんも同じなはずだ。

智「腹減ったんだけど何か無いの」

和也「海苔の佃煮しかねえわ」

智「なんで海苔の佃煮なんだよ」

アハ。

大野さんが笑う。

智「なあ、ニノ」

そして目を細める。

あの時と同じ、眩い光に。

智「もしニノが俺より先に死ぬ時はさ、見送ってやるよ」

ああ、綺麗だ。

智「つーか。傍にいたいんだ」

これが例え傷の舐め合いだとしても。

綺麗なんだ。とても。