48現目 ページ1
〜智side〜
容赦なく地面を叩きつける雨の中。
尋常じゃない熱を発しながらも、まるで
嫌がらせかの様に雨水を吸い込み
重みが増した身体を瞬時に抱え直し
俺は無心で地面を蹴り続ける。
「しっかりしろ…もう少しだからな」
聞こえるか聞こえねぇかは、わかんねぇけど。
でっけぇ目を閉じて、ぐったりと腕の中で
項垂れている男に俺は声を掛け続けた。
・
「…さて、どうすっか。」
玄関を足で開けて、そっと、櫻井を
壁に寄りかからせるように寝かせる。
こっからだと、俺の家の方が近かったから
咄嗟に何も考えずに連れてきちまったけど…
学校の人間をここに連れ入れたのは
…恐らく、こいつが初。
自分の領域に踏み込まれるのをとにかく嫌う俺は
事務所の人間は愚か、親友の岡田さえ
入れた事はない。
でも、俺は…
何故か迷う余地もなく勝手に足が
ここに進んでいた。
自分でも、不思議なくらいこいつには
何故かそういった壁っつうか抵抗感が
存在しなかった。
完全に意識を失ってる櫻井を見やる。
なだらかな肩を上下させて
荒い息を吐いている。
とにかく、早く寝かせてやりてぇけど…
まるで身体ごと水没したかの様なポタポタと
滴り落ちる制服の水気が目に入って。
とにかく、それの処理を優先した。
自分のブレザーを脱いで、丸め込み
櫻井の頭の下に差し込んで廊下を歩く。
…誰が見てる訳でもねぇってのに
とにかく頭ん中は、笑えるくらい動揺してて。
冷静を装いつつも、不規則な胸の音が
焦燥を煽り部屋まで歩く足を
次第に早くさせる。
タンスから、適当にフリーサイズのパーカーと
ジャージを引っ掴んで元来た道を戻る。
櫻井のブレザーとワイシャツを
起こさない様に慎重に脱がせていく。
…かなり、骨と心臓にクルな、これ。
脱がせた隙間からチラつく、こいつの
性別を疑うような白い肌になんとなく
悪い事してる気分になったけど…
いやいや。
んなこと考えてる場合じゃねぇよな。っつう事で
己の躊躇いを捨てて素早く着替えさせ
その想像以上に軽い身体を
再び抱え直して寝室に直行した。
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& - 更新楽しみです (2019年1月4日 13時) (
レス) id: c4652a5ed4 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - ゆーさん» ゆーさん、コメントの確認が遅くなってしまい大変申し訳ありません！泣 楽しみにして頂けてとても嬉しいです！！近々更新するのでこれからも宜しくお願いします＾＾ (2018年12月26日 20時) (レス) id: 9c00a2b6a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - いつも楽しみにしてます (2018年12月26日 17時) (レス) id: 625128a66e (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - いつも楽しみにしてます (2018年12月13日 20時) (レス) id: c4b137a778 (このIDを非表示/違反報告)
シュガ−(プロフ) - 返事有難う御座います！お直しも加筆もしっかり確認済みです！笑何回読んでも飽きないのが不思議です。。！！これからの展開も楽しみにしています！！ (2018年11月10日 21時) (レス) id: fe924138d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅
| 作成日時：2018年5月19日 19時
