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「あの子は生まれつき目が悪くて…
全く見えへんかったわけやないねんけど
どこに行くにも危なっかしいて、滅多に外に出してあげへんかった」
静かな流星くんの家のリビング。
お邪魔するのは初めてだった。
豪華な花柄のL字型のソファで温かい紅茶を啜る。
「廉が2歳になった時、流星が生まれた
まるで廉の栄養を吸い取るかのように
流星はすくすくと健康に育ってって
家族も親戚もそんな流星が可愛いて仕方なかってん」
今思えば私もそうだったのかもしれない
薄情にもそう呟いた声が広いリビングに、
戸棚に伏せられた写真立ての写真に、木霊する。
なんの根拠もなく、あれは廉だと思った。
「ああ…あれ？あれは廉の写真」
徐に立ち上がって、その写真立てを手にした流星くんママは
まだ幼い廉をなぞって涙を流す。
「昔は可愛らしい笑顔でよう笑う子やった
覚束へん足取りで駆け寄ってきて、ママ〜って」
「あの廉が……？」
「でも流星が生まれて
廉はみるみるうちに弱ってった」
容姿が細くボロボロに窶れていけばいくほど
心の壁は厚く頑丈に固めて、塞ぎ込んだ。
廉は何も悪いことはしていないのに
どうして苦しまなければならなかったの？
「でもやっぱり
流星が可愛いてしゃあないの」
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絢 - 廉くんとその家族、主人公の感情が丁寧に書かれていて一人一人の気持ちが具体的に伝わってきます。これからも更新頑張ってください！応援しています。 (2016年5月4日 17時) (
レス) id: b4318d4188 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - 廉くんとその家族、主人公の複雑な感情が丁寧に書かれていて一人一人の気持ちが具体的に伝わってきます。これからも更新頑張ってください！応援しています。 (2016年5月4日 17時) (レス) id: b4318d4188 (このIDを非表示/違反報告)
みりぃ(プロフ) - すごく引き込まれる言葉選びと運びに、一瞬で読んでしまいました。ぜひ更新がんばってください。 (2016年2月11日 16時) (レス) id: 3ae53e6610 (このIDを非表示/違反報告)
紀衣(プロフ) - 初めまして！！この作品、本当に好きです！内容だけでなく、言葉の選び方とかも凄く綺麗で。読んで居て惹きつけられました。廉くんに何があったのか、など凄く気になります！更新頑張って下さい！！ (2016年2月11日 8時) (レス) id: d7c93b1180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rain | 作成日時：2016年2月4日 7時
