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「まっくら…？」
「記憶の中で照らし合わしてみるけど
もう空の色なんか忘れてた」
空の青さは一概に何色とは言えない。
人間の感情のように細かくて複雑で
口で表すには難しいもの。
「なあ、空って青いん？」
「…いま、は」
「どんな青？」
「どんな青って、
冷たい、哀しい色…」
廉は難しいことを言う。
私に難しいことを聞く。
同じ世界に生きているのに
違う世界を生きているみたいで。
「俺には分かんねぇや」
私はこれ以上何も言えなかった。
廉の瞳は空の色をしていた。
「お前、歌上手いんやな」
「……え？さっきは普通って」
「あ〜ミス、普通や普通」
そうや。
この人が普通とか言うからイラっときて
ここまで登ってきたんだった。
「ちゃんと聞いとったん？
…絶対歌詞とか覚えてへんやろ」
「ん〜まあそこそこ」
「はあ……
ほんまありえん」
「そんなガリガリすんなって」
「それ言うならカリカリやろ」
ガリガリはあんたのことやわ。
ははって軽快に笑ってはるけど
私にとっては嫌味でしかないし。
「俺、歌はまあ好き
俺の弟も好きやったし」
「へえ、弟おるんや！
絶対美少年やろうなあ」
「めっちゃいい子で
家族とか友達にいつも囲まれて」
__________俺の分もいっぱい愛を受けて育った
少しずつ冷たくなってきた風が
廉の黒髪を揺らす。
ふわっと彼の頬を伝った涙を
私は見逃さなかった。
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絢 - 廉くんとその家族、主人公の感情が丁寧に書かれていて一人一人の気持ちが具体的に伝わってきます。これからも更新頑張ってください！応援しています。 (2016年5月4日 17時) (
レス) id: b4318d4188 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - 廉くんとその家族、主人公の複雑な感情が丁寧に書かれていて一人一人の気持ちが具体的に伝わってきます。これからも更新頑張ってください！応援しています。 (2016年5月4日 17時) (レス) id: b4318d4188 (このIDを非表示/違反報告)
みりぃ(プロフ) - すごく引き込まれる言葉選びと運びに、一瞬で読んでしまいました。ぜひ更新がんばってください。 (2016年2月11日 16時) (レス) id: 3ae53e6610 (このIDを非表示/違反報告)
紀衣(プロフ) - 初めまして！！この作品、本当に好きです！内容だけでなく、言葉の選び方とかも凄く綺麗で。読んで居て惹きつけられました。廉くんに何があったのか、など凄く気になります！更新頑張って下さい！！ (2016年2月11日 8時) (レス) id: d7c93b1180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rain | 作成日時：2016年2月4日 7時
