橙色と白

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バイトの帰り道


もらった紙を見ながら連絡先を追加して





『Aです、よろしくね。』




そう、短いメッセージを送った。





携帯をしまって歩き出そうとすると




すぐに


メッセージが一件、二件。

開いてみると

追加したばかりのジョングク君からて


『追加ありがとう！』


『今、電話大丈夫？』





そして最後に

うるうるお目目のうさぎ君のスタンプが

送られてきた。






返事を返すと



すぐに電話がかかってきた。






『も、もしもし』



JK『もしもし』



『えっとジョングク君？

わたし…ユン・Aです』



JK『うん、連絡ありがとう』






バイトだった？ って

お疲れ様って


少し笑った彼の声を聞くだけで




ほっとするのと同時に


私の心臓の音は

どんどん大きくなっていった。








.








ふと、通話のディスプレイを見ると

通話中の表示はいつの間にか


“ミン・ユンギ” に変わっていて




不思議に思った私は

ジョングク君に問いかけた。



追加したときは、確かに

ジョングク君の名前だったはずだから







すると






しばらく従兄弟のユンギさんのお家に

居させてもらっている事


それから



実はこの連絡先は

ジョングク君のものじゃなくって


ユンギさんのものなんだって、教えてくれた。




名前が変わったのは

私が追加する時に分からなくならないように

一時的に名前を変えていてくれたらしく


それを今さっき戻したんだって。







.




ジョングク君が新しい携帯を買うまでの間

ユンギさんは

夜なら毎日携帯を貸してくれるみたいで



それを嬉しそうに話す彼に


なんだか私まであったかい気持ちになった。









.






『ユンギさん、優しいね』



JK『うん。すごく、ね』



少し照れ臭そうに答えたジョングク君。



きっとお互いが

お互いにとって



とても大切な人なんだろうなって



すごく、伝わってきた。

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