ビターチョコレート。 (ページ3)

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オッパページ3

「何笑ってんだよ。
…あ、あの人、いた？」

ベクの一言にイラッとしながらも
あの人、という言葉にドキッとする。
心なしかほっぺも少し熱い。

「わーA顔真っ赤！林檎！(笑)」

「うるさいうるさい！誰のせいだと思ってんの！」

「さぁ？(笑)…で、いたの？あの人は(笑)」

「まだ来てないんだよねー、
いつもならもう来て……あ。」

………いた。

彼を見つけると、周りのことなんか目に入らず
見失うもんか、と必死に目で追った。

「何、いたの？どこ？」

「ほら、そこ」

私が指をさした先を見ると
本当だ、とニヤニヤしながらこっちを見てくる。

そんな視線に気付かないように見ていると
彼は何やら隣の男の子と喋ったあと

小さく、手を振ってくれた。

まさかこっちに気付いてくれるとは思っていなくて
びっくりしながらもちゃんと手を振りかえした。

「え？A知り合い？」

「うん、お兄ちゃんと中学の頃
仲が良くて…ルハンオッパ、」

「は、オッパとまで呼ぶ仲なのに
今まで声かけなかったのかよ！」

「だって屋上から叫んだら目立つでしょ？！」

「普通に教室に行けばいいじゃん！」

「いや、三年生の教室に行くの勇気いるし…
見てるだけで充分だから」

「そのわりには手振ってもらえたとき
嬉しそうだったけど？(笑)」

「あーもういいでしょ別に…
ってか時間！」

「あ、やべ！ST始まる！ダッシュするぞ！！」

「朝から運動とか最悪だ、ベクのせい！」

そうは言いながらも
朝からルハンオッパに
手を振ってもらえたことが嬉しくて、
ルハンオッパに振った手を握りしめながら
弾む気持ちでベクと教室へ全力疾走した。