いつも ページ2
ピピピピ…ピピピピ…
数ヶ月前より少し早い時間に設定した
目覚まし時計のけたたましい音で起きて
顔を洗い、朝ごはんを食べて
身支度を済ませ、家を出る。
学校へ着くと
まだ数人しかいない教室の扉を開け
自分の席へ荷物を置いて
足早に教室を出た。
廊下の突き当たりの階段を
一番上まで登り、扉を開けると
フワァッ、と新鮮な空気に包まれる。
私がいつも学校へ来て最初に来るのは
ーーー誰もいない、屋上。
この屋上は授業後は空いていないが
朝だけは何故かいつも空いている。
このことを知ったのは
高校に入学して一週間も経たない頃。
それからの私は毎朝、早い時間に学校へ来て
沢山の生徒が登校するのを
上から眺めることが日課となった。
今日はそんな生活が始まってから3日目だ。
「まーたここにいたの、パク・Aさん？」
その声に振り向くと
屋上の入り口から頭だけ覗かせて
軽く手を振る、よく見知った顔が。
「何、いちゃ悪い？」
「そうとは言ってないじゃん！」
「うそうそ(笑)おはよう、ベク(笑)」
そう言うと、少しむすっとしていた顔も
パァッと笑顔になって
「おはようA！」
と笑顔で返してくれた。
この男の子の名前はビョン・ベクヒョン。
お母さん同士が仲良く、家も近所なので
小さい頃からずっと一緒に過ごしてきた。
いわゆる、幼馴染みってやつ。
正直、私もベクも生まれてから今まで
一緒にいる時間が1番長いと思ってる
だからベクのことなら
何でもわかる！……はず。
ここを見つけたのだって、誰にも言ってないのに
ベクにはすぐ見つかってしまった。
ベクは、私にとって一番の良き理解者、かな。
「ねぇAってば！俺の話聞いてた？」
「あーごめん聞いてなかった。何だった？」
「また聞いてなかったの？
はぁー、いつになったらその癖治るんだよ」
「あーはいはい、ごめんなさーい(笑)」
「いつもその調子なんだから！！」
なんて、ブツブツ言ってるベクだけど
結局は許してくれるんだよね
その優しさに甘えてるから
治らないだけなんだろうけど(笑)
「はぁ…まぁそんなこといいんだけどさ、」
………ほら、ね(笑)
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作者名：ゆひょん | 作成日時：2013年10月30日 3時
