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カナヅチの私は
海に来たら浜辺で人間観察をしながら過ごしたい派
だからぷかぷかと浮き輪に乗ってる状況の今
だんだん眠くなってくる
すると飛貴が起きてーーーー!って大声を出して
私をわざと浮き輪から自分の腕の方へ落としてぎゅーっと抱きしめる
飛貴の体は鍛えてるのもあってかなり頼りになる腕なんだよなあ、と感心。
その1連のイチャイチャが終わると満足そうな顔で私をまた浮き輪に乗せる
『 何回やるの、このくだり 』
飛「 えっへへ、楽しい! 」
『 これ楽しいの飛貴だけだからね? 』
飛「 とかいって実はAも楽しんでるでしょ 」
『 … 』
飛「 えっ、本当に俺だけなの楽しんでるの 」
『 うそうそ、飛貴といるだけで楽しいよ 』
飛「 えっ、あっ、え?嬉しいよ!嬉しい! 」
飛貴は、感情が豊かだ。
楽しい時と悲しい時の顔はまるで別人のようで
だから今のこの笑顔が本当に楽しんでることの証明
『 わかりやすいなあ、もう』
飛「 だって嬉しいもん!俺も楽しい! 」
『 じゃ、脱いでいい? 』
飛「 いっ……だめだめだめ! 」
『 えーーーー…… 』
飛「 仕掛けてきても無駄無駄〜!許しません! 」
へへーん、と何故かドヤ顔をしてくる飛貴を置いて
海から上がろうと沖の方へ体を向けた瞬間
浮き輪がくるんっとひっくり返って
ザッパーンと派手に落ちた
飛「 なにやってんの、ほら!」
『 ごめーん 』
飛「 俺、危ないのはやだ 」
ちょっとだけムッとした真剣な顔で言われる
『 飛貴だって同じようなことしてたじゃん 』
飛「 それは、俺がいるからいいの 」
『 意味わかんない 』
飛「 Aを守れるのは俺だけでしょ? 」
そう言うとちゅ、と口付けをして
俺以外いないよね?って言ってるみたいに
顔がにこにこしている飛貴
さっきの真剣な顔はどこへ行ったのやら…
『 飛貴だけだよ 』
こうして彼に惹き込まれていく
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作者名:shion. | 作成日時:2019年10月11日 20時