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「 なんでいんのさ……、せっかく30分暇潰してきたのに…… 」
龍『 だって、先生の態度おかしいんだもん 』
「 あのねえ、いくら空気が読めちゃうからって、そこは鈍感になりなよ…… 」
「 んふふ、先生鈍感ですもんね 」
彼はにひひ、と子供っぽく笑って意味深な発言をしだす
私はふと作間くんの学校の時と少し雰囲気に気づく
いつもはしっかり敬語なのに、何故かタメ口だし
…なんか、随分積極的だな?と思わざるを得ない
「 はあ…帰るよ、私は。誰にも言わないでよね! 」
龍『 …先生と俺だけの秘密ですか? 』
「 そんないやらしいこと言うんじゃないの、さあ良い子は帰った帰った! 」
龍『 え〜、A先生、そんなこと言っていいんですか?ばらしちゃいますよ? 』
作間くんに急に名前を呼ばれて、ドキッとする
…なんだこりゃ、生徒だぞ相手は!!と自分に暗示をかけて落ち着かせるけど、
心臓の音はどんどん大きくなっている
「 あんまり大人をからかうんじゃないよ… 」
龍『 はーい 』
「 ……ねえ、」
龍『 ん?なんですか? 』
「 …そこに居られると、部屋バレちゃうからさ、どいてくれるとありがたいんだけど……?」
うちのマンションはオートロックだから
部屋番号を入れて、暗証番号を入れないと開かない仕組みになっている
作間くんはそのボタンが見える位置にいるので
このままでは私は部屋までバレてしまう
それは全力で回避したいのだ、なんとしても!
龍『 え〜、嫌です 』
「 なぬ?! 」
龍『 先生の部屋教えてくれるなら、同じマンションだなんて言いませんから 』
「 …それは脅しだね?作間くん 」
龍『 ふふ、交換条件なので 』
「 はあ……分かったよ、教えるから誰にも言わないんだよ? 」
龍『 やった 』
私は大きくため息をついて渋々了解する
自分の部屋番号を入力して、作間くんを離れさせる
暗証番号はさすがにまずいのでトトトン!と素早く入力した
龍『 え、A先生、9階なの? 』
「 うん、まあ 」
龍『 俺もだよ 』
「 は? 」
龍『 俺、先生の部屋の隣の隣の隣の隣だわ 』
「 ……近いのか遠いのか分からないけど、バレたらマジでやばいってことは分かった 」
最悪だ、と思いつつ作間くんとエレベーターに乗って"9"のボタンを押そうとすると
作間くんも押そうとしてくれたようで指と指が触れる
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作者名:shion. | 作成日時:2019年10月11日 20時