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「 え〜! 」
龍『 …傘、持ってないんですか? 』
「 あ、私はいつも車なの、だから関係ないんだけど…… 」
龍『 先生、僕傘持ってないです 』
「 ありゃ、困ったね…… 」
作間くんは雨のせいなのか、ちょっぴり寂しそうな顔をして
しょぼん、と小さくなって見える
「 作間くんの家って、どこら辺? 」
龍『 えっと、○○川沿いです 』
「 私もそこら辺だ、送っていくよ 」
龍『 …え、悪いです。走って帰ります 』
「 走る?!いいから、乗って!」
龍『 ……じゃあお言葉に甘えます 』
「 子供はお言葉に甘えなさい! 」
龍『 そんなに歳、変わらないじゃないですか 』
「 あのねえ、17と23は全然違うよ? 」
龍『 …6つ 』
作間くんはボソッとなにか小さく呟いている
私はその隙に雨の中、昇降口まで車を持ってきて、作間くんを助手席を乗せた
「 はあ〜、雨結構降ってんね 」
龍『 雨、嫌いですか? 』
「 ん〜、雨自体は嫌いじゃないけど、雨の匂いが苦手かも 」
龍『 ちょっと分かります 』
「 でしょー!作間くんなら分かってくれると思ってた、あんまり理解されないんだよねえ 」
そう私が言うと、作間くんは急に黙り込んでしまったので
私はなにかいけないこと言っちゃったかな、と不安になって横目で見ると
なにかを考え込んでいる様子だった
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作者名:shion. | 作成日時:2019年10月11日 20時