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作間くんが私をぎゅ、と抱きしめている
そして、耳元で '' 好き ''と呟かれると
唇に柔らかい感触がして……
ああ…なんて幸せな世界なんだろう……
「 さ、くまく…… 」
作『 ……Aさん 』
「 んあ? 」
作『あ、その……下校の時間になった…よ 』
「 へ、まじで?ごめん、寝ちゃった…… 」
作『 だ、大丈夫、今日はあの後生徒も先生も来なかった……から 』
「 ごめん……いい夢見てた…… 」
作『 !……そ、そうなんだ……? 』
作間くんはいつもの冷静沈着でクールな雰囲気と言うより
何故かオドオドしていておまけに顔が赤くて
しまいには目を逸らされてしまった
頭の中にはてなマークが飛び交う
はて、私はなにかしたのだろうか?と。
作『 じ、じゃあ鍵閉めよっか 』
「 あ、うん 」
作『 ……あの、さ 』
「 ん? 」
作『 あ、いや、なんでもない……うん…… 』
「 ??? 」
ガチャン、と図書館を閉めて気づいたけど
もう辺りは暗くなっていて
それに加えて校舎内は誰もいないようで
教室の電気や廊下の電気ですら消えていて
真っ暗だった
「 暗くなっちゃったね、ごめん 」
作『 い、いや…全然!あんまりにも気持ちよさそうに寝てたから… 』
「 いい夢だったの、聞く? 」
作『 い、いい!だ、大丈夫! 』
昇降口に向かっている最中
作間くんが急に大きな声を出すから
ビクッと震えて驚いてしまった
すると、それに気づいてごめん…と謝られた
「 怖、どうしたの急に 」
作『 その…なんかあったわけじゃないんだけど…さ 』
「 なに? 聞くよ? 」
作『 あ……っと、Aさんの夢に…僕が出てきた? 』
作間くんは目を瞑って恥ずかしそうに
小さな声で私に問いかけたので
え、可愛いやん、という言葉をどうにか飲み込んで
どうにか、うん…と小さく返事をする
作『 そっ、か… 僕、出てきちゃってたか 』
「 うん、しかもチューされた 」
作『 は!?え、は?!ん?! 』
「 抱きしめられて、チューされる夢見たの 」
作間くんはその場でしゃがみこみ頭を抱えて
ブツブツ小さな声でなにか唱えている
なにしてんねん、と突っ込みたい気持ちを抑えて
また昇降口に向かって歩き出した
次の瞬間、右腕をグイッと引っ張られた
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作者名:shion. | 作成日時:2019年10月11日 20時