検索窓
今日:10 hit、昨日:2 hit、合計:6,374 hit

ryt.s ページ17
















「 ねえ、作間くん 」

作『 Aさん? なにかあった? 』

「 あの本、戻したいんだけど手が届かなくて 」

作『 またあ? 』








そう言って、カウンターで本を読む作間くんを呼び出しては
本当は頑張れば届く高さなのに
彼に手伝ってもらうのが定番になってきている









作『 本当は届くんでしょ? 』

「 うん、頑張ればね 」

作『 なら、自分やりなさい 』

「 いてっ 」









作間くんは私の頭を
軽くチョップする手でポコッと叩くと
スタスタとカウンターへ戻ってしまった

私はその背中を見つめて
彼がカウンターへ座るのを確認すると
また目の前にある大量の本たちを片付け始める









「 つまんないなあ、もう 」

作『 こら、Aさん、声が大きい 』

「 ご〜〜め〜〜ん〜〜! 」








どうやら心の声が漏れていたようで
作間くんは小声で
私だけに聞こえるように注意してくる
私も、口パクで謝ると
作間くんはまた読んでいた本に目を戻した








「 終わりました 」

作『 お疲れさま 』

「 作間くんは委員会、何時まで? 」

作『 閉館まで 』

「 ええっ、あと1時間もあるじゃん 」

作『 僕、本好きだからあっという間 』

「 …私もなんか読もうかな 」

作『 そう言って、何冊もオススメしてるのに、読むの辞めちゃうのはAさんだよ? 』

「 むう、だって活字苦手なんだもん 」

作『 …ハア、なんで図書委員なのさ…… 』

「 作間くんが図書委員だから 」

作『 ……そうだったね、ごめんごめん 』








最初は私がそう言えばオドオドしてたのに
最近では流されてしまいがちになって
私はちょっと危機感を持ち始めている









「 ハア〜、あと1時間かよ〜 」

作『 …僕、鍵返しとくから帰ってもいいよ 』

「 ……作間くんはバカだなあ、本当に 」

作『 …… 』

「 おっと、なんでもないよ、ほら、本を読んだ方がいいよ 」









作間くんは何た言いたげな顔をすると
なにかをぼそっと呟いて
また本に目を落としてしまったので
私はおおきなため息をついて立ち上がる
はらぺこあおむしでも読もうかな、と
児童文学作品が置いてあるコーナーに向かった







そこからぼーっとしていたら
いつの間にか意識が飛んでいた

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
28人がお気に入り
設定タグ:美少年 , HiHiJet , ジャニーズJr   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shion. | 作成日時:2019年10月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。